Geeko Magazine 2016 夏

By ftake @ 2016-07-25 00:11

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Geeko Magazine Special Edition の4冊目、2016夏号をコミックマーケット C90 で頒布します。スペースは日曜日(3日目) 西3・4ホール f-13b です。東京オリンピックの準備が始まり、今年は今までの企業スペースがあったホールです。

今回は締め切りにも間に合い、オフセット印刷で冊数が十分にあるため、11月のOSC東京や KOF でも頒布できる見込みです。

内容は次の通りです

  • AutoYaST は使えるのか?
  • Web開発環境を作ってみよう
  • 自分用パケットキャプチャとか作ってみます?
  • Raspberry Pi 2 に Tumbleweed をインストールして秋月のIGZO液晶を接続してみた
  • 漫画: やすとちゃん
  • 小説: mini summit の後に

今回は表紙の書き手がいなかったため、Geeko の写真ですが、中身はいつも通りですので、お手にとって頂ければと思います。

今日は Windows や Mac でおなじみの商用のアンチウイルスソフト Sophos Antivirus の個人向け無償版のを Leap 42.1 にインストールする方法を紹介します。

まずはダウンロードします。以下の URL からダウンロードできます。
https://www.sophos.com/ja-jp/products/free-tools/sophos-antivirus-for-linux.aspx

ダウンロードまでの間に、氏名とメールアドレスなどを2回求められます。2回目は米国輸出管理法の輸出先の確認のためのようです。職業は「個人利用者」、会社名は「個人」とでもしておけばよいでしょう。

ここからはターミナルで作業です。ファイルを回答してインストーラーを走らせるだけです

ここからはインストーラの指示に従って作業を進めます。まずは使用許諾契約に同意します。Enter キーを押して契約書を表示して、読んだあとに、Yキーで同意します。

ライセンス内容に同意しますか? はい(Y)/いいえ(N) [N]
> y

次にインストール先を求められます。特にこだわりがなければそのままで問題ありませんので、何も入力せずにEnterを押します。なお、インストール先には1GB程度の空き容量が必要なようです。

Sophos Anti-Virus のインストール先を指定してください。 [/opt/sophos-av]
>

アプリケーションからファイルにアクセスしたときに検索を行う、オンアクセス検索を有効にします。

オンアクセス検索を有効にしますか? はい(Y)/いいえ(N) [Y]
>

アップデートのダウンロード元です。そのままでOKです。

オートアップデートの種類を選択してください: ソフォス(s)/自社サーバー(o)/なし(n) [s]
>

今回は無償版を使うので f を入力します。

SAV for Linux の無償バージョン (f) と サポート対応付きバージョン (s) のどちらをインストールしますか? [s]
> f

プロキシは必要に応じて設定してください。

ソフォスからアップデートを行うためにプロキシが必要ですか? はい(Y)/いいえ(N) [N]
>

しばらくすると、インストールが終わります。動いているかを確認するには、savdstatus コマンドを使います。

openSUSE にこの方法でインストールすると、オンアクセス検索を行うために、fanotify とよばれるファイルへのアクセスイベントを捉える仕組みが使われます。現時点では fanotify を使った検索が、NFS と CIFS (Samba) で有効になっていると問題があるようです:
https://www.sophos.com/ja-jp/support/knowledgebase/14377.aspx

対策としては、NFS や CIFS でマウントしたディレクトリを検索対象から除外すれば良いようです。どうやって除外するかというと、savconfig コマンドの ExcludeFilePaths で、除外するファイルまたはディレクトリのパスを指定します。複数のパスを追加したいときは、繰り返しsavconfigを実行します:

除外する範囲は、ファイルシステム名でも指定できるようです。ExcludeFilesystems で除外するファイルシステムを指定します。ファイルシステムの名前は /proc/filesystems に書かれたものを入力すればよいそうです。

OSC 2016 群馬

By ftake @ 2016-05-16 23:15

5月14日(土) に群馬で初めてオープンソースカンファレンスが開催されたので行ってきました。一応、首都圏とは言え、神奈川からは上野東京ラインで2時間半の旅です。埼玉と群馬の県境に何かあるのか、休日おでかけパスも埼玉県内の神保原までしか行けない(240円乗り越し)そんな場所です。

会場は、駅前のヤマダ電機のイベントスペースです。ヤマダ電機は高崎が創業地のようで、地元の人が集まるちょっとしたショッピングセンターになっていました。各種イベントに対応できるようにするためか、舞台袖のあるステージや、各所に天井モニターまであり、展示スペースからもちゃんとセミナーの資料が見られるようになっており、レベルの高い会場でした。駅周辺のヤマダ電機の広告スペースで OSC の告知がされており、いつもの OSC とはちょっと違う様子でした。

ユーザ会では、ブースとセミナーを行いました。セミナーは「開発環境として Linux デスクトップを使ってもらおう」作戦で、コマンドラインテクニックです。今回は SSH 環境で使えるような物が集まっていますが、次回以降は Konsole や GNOME Terminal の使い方なども取り入れていこうと考えています。

写真

autoyastがほぼうまくいった

By ribbon @ 2016-05-15 18:10

ほぼ、autoyast がうまくいきました。

うまくいかなかった原因はいくつかありますが、おそらく、openSUSEインストール時に作成するautoinst.xmlがバグってます。たぶん。

通常はインストールするパッケージがずらっと並ぶのですが、なぜか、そのパッケージを*削除*する一覧がくっついているのですね。こんな感じで。

<patterns config:type=”list”>
<pattern>yast2_basis</pattern>
<pattern>x11</pattern>
<pattern>sw_management</pattern>
<pattern>lxde</pattern>
<pattern>fonts</pattern>
<pattern>enhanced_base</pattern>
<pattern>apparmor</pattern>
<pattern>base</pattern>
<pattern>multimedia</pattern>
<pattern>remote_desktop</pattern>
</patterns>
<remove-packages config:type=”list”>
<package>zypp-plugin-python</package>
<package>zisofs-tools</package>
<package>ypbind</package>
<package>yp-tools</package>
<package>yast2-vm</package>
<package>yast2-users</package>
<package>yast2-tune</package>
….

これじゃ、パッケージの依存関係が正しくなるわけがありません。セクションを手動で削ったらほぼうまくいきました。あと、セクションもうまくハンドリング出来ないので、ここも削ります。

ただ、lxde環境だと、更に問題があります。起動時にlxdmが設定されません。xdm になってしまいます。しかし、kde環境を指定してインストールすると、ちゃんとkdm が指定されて、起動するので、lxdmに設定するという部分が抜けちゃっているのだと思います。

 

autoyastがうまくいかない(状況)

By ribbon @ 2016-05-06 22:40

autoyastを使って自動インストールをしようとしていますがうまくいきません。普通にインストールするとき、インストールした状況を/root/autoinst.xml というファイルに書き込むように指示出来るのですが、そのファイルを自動インストール時に使ってもインストール途中に、パッケージの依存関係解決に失敗します。

そもそも、インストールパッケージに不要なものが入ってしまいます。たとえばこんな感じで、本来DVDに入っていないパッケージが入ってしまっています。

autoyastbad01

試しにこれらのファイルを手でautoinst.xml から取り除いても結果は同じでした。途中でこんな感じになります。

autoyastbad02

bashはインストールされ、存在するパッケージなのですが、なぜか依存関係が破綻していると思われています。理由は謎です。

 

前回(http://blog.geeko.jp/ribbon/1296) では、途中までしかうまくいきませんでしたが、その後いろいろとやってみて、ほぼうまくいくようになりました。

大まかな流れは、ipxe起動->pxelinux起動->autoyastによる自動インストールとなります。要するに、pxelinux を ipxeでキックしてあげる、ということになります。よってipxe起動以後の手順は、SUSEのマニュアルにある、自動インストールの説明とほぼ同じになります。


準備

◆1 dhcpの設定

前回と違い、ipxe起動ファイルをtftpのroot直下に置きました。こんな感じになります。

この設定により、iPXEが、OSを起動するための初期スクリプト boot.ipxeをダウンロードすることが出来ます。

◆2 boot.ipxe の準備

内容を整理し、以下のようにしました。

◆3 pxelinxの準備

前回の失敗は、ipxeから起動するLinuxローダに、isolinuxを使用したことでした。これはISOしか見ないようで、ネットワークブートには対応していなかったようです。ネットワークブートに必要なのはpxelinuxなので、これを、/usr/share/syslinux/pxelinux.0 から /srv/tftpboot にコピーします。続いて、/srv/tftpboot配下にpxelinux.cfg ディレクトリを用意します。

◆4 ブート用ファイルの準備

SUSEの自動インストールの説明のように、linux initrd message biostest memtest を、インストールCDイメージから(たとえば/srv/tftpboot/install/leap42/CD1/boot/x86_64/loader/から)コピーします。

◆5 pxelinux.cfg/default ファイルの作成

pxelinuxが使う設定ファイルを用意します。基本的には インストールイメージ内にあるisolinux.cfgをコピーし、配下の以下のように用意しました。単なる自動起動だけであれば、不要な項目も多いですが….

◆7 autoyast.xml を用意する

あらかじめ作成したautoyast.xml をインストールイメージに(この場合は、/srv/tftpboot/install/leap42/CD1/)コピーします。

◆8  起動する
まず、ipxeで起動すると以下の画面が出ます。

pxeok

enterを押すか、タイムアウトまで待つと、ipxeがsyslinuxを起動します。

syslinuxok

enterを押すか、タイムアウトまで待つと、openSUSEが起動します。そして、autoyast.xml が処理され、自動インストールが始まります。

autoinstall-01

ただ、手動でインストールしたautoyast.xmlが、なぜか不正なため、インストール処理は失敗します。

autoinstall-02

とりあえずここまで出来るようになりました。

 

OSC 2016 Tokyo/Spring

By ftake @ 2016-03-02 01:09

2月26日、27日にオープンソースカンファレンスが明星大学日野キャンパスで開催されました。来場者は1日目約650名、2日目約900名の合計1550名でした。日本openSUSEユーザ会として2日間のブース出展と、土曜日の午前にセミナーを行いました。

ブース

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オープンソースカンファレンスといえば、ブースや懇親会で色々なコミュニティの人と話をすることです。ユーザ会ブースでは、いつものように特大ギーコを中心とするギーコたちと、Geeko Magazine、Leap 42.1 のデモ、Raspberry Pi での Tumbleweed のデモを行いました。

2日間で100人以上の方に立ち寄って頂けたようです。ブースでの会話は、およそ対象者別に3パターンです。openSUSE を知らない人向けには、まずは YaST でネットワークや Samba などの設定が、設定ファイルを vi で変更せずにできることを紹介し、openSUSE を知っている人向けには、Leap 42.1 が SLE ベースになったことを説明しました。利用している人には openSUSE mini SummitIRC定例にぜひ参加して下さいと声かけをしました。

残りわずかだった Geeko Magazine 冬号は売り切れました。2015夏号も持って行った分はすべてなくなりました。次の号では、「使ってみた」のような、簡単な記事で構いませんので、ぜひ執筆にも関わっていただければと思います。もちろん、記事の技術的な内容のサポートもします。

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この日は LPIC くんではなく、HTML 5 プロフェッショナル認定試験のマスコット、セマンくん襲来。さっそく一緒に記念撮影をする特大ギーコ。

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OSC東京の懇親会は少し特別で、1000円の会費で軽い食事と飲み物を飲みながら、立食でわいわい、レアなノベルティが手に入る恒例のじゃんけん大会、飛び入り LT 大会が行われます。

セミナー

セミナーのネタ切れ感が漂う中、太田さんにGeeko Magazine の冬号から、 Microsoft Azure を使ってみた話をお願いしました。その前後に、Tumbleweed と Leap 42 シリーズの話と、SUSE Studio の紹介、openSUSE.Asia Summit のレポートを挟みました。

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参加者は最終的には12名程度で、全員が openSUSE を知っていて、半数が利用したことがあるとのことでした。それなら、もっとコアな話をすれば良かったのですが、そういう内容はぜひ openSUSE mini Summit に聞きに来ていただければなと思います。

参加者には openSUSE のロゴ入り USB メモリーをプレゼントしました。読み書きが遅いので、openSUSE のインストールに使ってもらえればと思います。まだ残っていますので、地方の方は今後の OSC をお楽しみに。


その他

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議事録アプリケーション SIGN のブースでもらった変わったノベルティグッズ「イケメンチップス」。中にはイケメンカードが入っていました。

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最後は OSC 名物 LT 大会と表彰式です。今回の LT はopenSUSE ユーザ会のさとうさんと不破さんのダブル司会でした。写真は法林さんによる受賞者紹介のプレゼン中の様子です。(司会者の写真を撮るのは難しく…)

最後はみんなで会場の撤収作業を手伝って解散です。