By ftake @
2019-12-25 23:55
openSUSE Advent Calendar 25日目です。今回も無事完走できました。
最終日の今日は1年間のイベントをふりかえってみます。全体の傾向としては、今年は毎年抑えている OSC のみで、北海道や島根などの地方 OSC への参加は少なめでした。
また、OSC 東京の後、高幡不動で飲んでいる間に企画が立ち上がった Cross Distribution Developers Camp (XDDC) が始動し、openSUSE 単独のもくもく会のかわりに、他のディストリビューションを巻き込んだイベントが多くなりました。
1月
openSUSE もくもく会・新年会@京都 OSC 大阪
2月
OSC 浜名湖「eBPFを使ってシステムコールをトレースしてみよう」(川上さん) OSC Tokyo/Spring「Kubic で簡単お手軽 Kubernetes クラスタ構築」(修太さん) 「最近良く聞く Kubernetes を体験してみた」(武山)
3月
openSUSE Leap 15.1 Bug Squashing Party
5月
openSUSE Conference openSUSE Leap 15.1 リリース
6月
7月
8月
OSC 京都「XDPによる高速パケット処理プログラミング入門」(川上さん) コミックマーケット C96 Open Developers Conference「日本語入力の危機を乗り越える インプットメソッド・フレームワークとかな漢字変換に訪れている課題とその対策」(Cross Distribution Developers Camp)
9月
10月
openSUSE.Asia Summit 2019
11月
関西オープンフォーラム ディストリビューション開発合宿 OSC Tokyo/Fall 「最近よく聞く!? ― eBPF (extended Berkeley Packet Filter) を用いた PostgreSQL の性能測定」(川上さん)
12月
コミックマーケットC97(4日目の12/31です)
来年のイベントは?
コミケがまだ残っていますが、来年は京都のもくもく会&新年会 と東京の新年会 からスタートです。その後は OSC 大阪に出展します。
それでは来年もよろしくお願い致します。良いお年を。
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By ftake @
2019-12-22 23:36
LibreOffice Advent Calendar と openSUSE Advent Calendar の 22 日目です。毎年、二重投稿ですみません。
今日もちょっと小ネタで LibreOffice で OpenType フォントの機能(feature)の使い方です。※ feature の訳が機能で良いかはいつも困ります
スライドなどで、Noto Sans JP (Noto Sans CJK JP) や源ノ角ゴシックを使うと、IPA Pゴシックや、Meiryo UI、Migu 1C などのプロポーショナル日本語フォントに慣れていると、ちょっと間隔が空き過ぎと思う人はいるのではないでしょうか?
Noto Sans JP を普通に使うと
実は、Noto Sans JP フォントには、プロポーショナルなフォントの文字送り情報が含まれており、OpenType フォントの機能の Proportional Alternate Metrics をサポートするソフトウェアで使用することができます。最近の LibreOffice でもサポートされています。先ほどのスライドはこんな感じになります。見慣れた感じになりますね。
Noto Sans JP:palt
palt を使うには、フォント設定ダイアログの「機能」ボタンを押してダイアログを出し「Proportional Alternate Metrics」を選ぶか、フォント名の最後に「:palt」を付けます。他にも色々な機能がありますが、LibreOffice ではすべての機能に対応しているわけではないようです(選択しても有効にならないものあり)。
OpenType フォントの機能のダイアログ
OpenType フォントの機能について、詳しく知りたい方は以下のページをチェックしてみて下さい。https://helpx.adobe.com/jp/fonts/using/open-type-syntax.html#palt
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By ftake @
2019-12-16 23:45
openSUSE Advent Calender の 16日目です。今日は小ネタです。
スマートフォンを通してインターネットに接続するテザリングをするとき、一般的には Wi-Fi を使ってスマートフォンと PC を接続することが多いのではないかと思います。
実はUSBケーブルで接続してテザリングをすることもできます。充電・電源供給しながら使用することができるので、長時間使うときには便利です。
Android のスマートフォンであれば、どの機種でも簡単にできます。USB ケーブルで接続し、スマートフォン側のネットワークの設定で USB テザリングを有効にすれば、特にパッケージ等のインストールをすることなくつながります。
Network Manager では、1番目に Type-C で接続した有線LANアダプタがあるため、スマートフォンは「Wired connection 2」として設定されました。
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By ftake @
2019-12-09 22:26
openSUSE Advent Calendar 9日目です。
M5Stack は 5.5 cm 角のディスプレイとバッテリー付きのマイコンです。SoC は ESP32 で、Wi-Fi も使えます。近々 Arduino のハンズオンを行う予定で、M5Stack を Arduino 互換ボードとして開発する環境を openSUSE 上に整えてみました。
ハードウェアのセットアップは簡単で、openSUSE が動く PC に接続するだけで cp210x として認識されます。ただし、少し前の brltty にバグがあり、アップデートが適用されていないと、M5STACK が点字ディスプレイとして持って行かれてしまいますのでご注意下さい。
[145368.714737] usb 1-1: new full-speed USB device number 15 using xhci_hcd
[145368.864518] usb 1-1: New USB device found, idVendor=10c4, idProduct=ea60, bcdDevice= 1.00
[145368.864523] usb 1-1: New USB device strings: Mfr=1, Product=2, SerialNumber=3
[145368.864526] usb 1-1: Product: CP2104 USB to UART Bridge Controller
[145368.864529] usb 1-1: Manufacturer: Silicon Labs
[145368.864531] usb 1-1: SerialNumber: 01CA75D7
[145368.866438] cp210x 1-1:1.0: cp210x converter detected
[145368.871368] usb 1-1: cp210x converter now attached to ttyUSB0
Arduino の開発環境である Arduino IDE は以下のサイトからダウンロードして、適当なディレクトリに展開します(/opt/arduino など)。Flatpak でインストールしたいところですが、ESP32 のコンパイラが Python を必要とするため、Python を同梱していない Flatpak 版は使用できません。 https://www.arduino.cc/en/Main/Software
インストールした Arduino IDE を起動して、ESP32用のツールをダウンロードします。「環境設定」を開いて「追加のボードマネージャのURL」に次のURLを設定します:https://raw.githubusercontent.com/espressif/arduino-esp32/gh-pages/package_esp32_index.json
「ツール」から「ボードマネージャ」を起動し、ESP32 の開発環境をインストールします。
ボードマネージャを使用しない方法は以下を参照:https://github.com/espressif/arduino-esp32/blob/master/docs/arduino-ide/boards_manager.md
1つだけインストールしなければならないのが python2-pyserial です。ビルド時に ESP32 のビルドツールが使用します。zypper か YaST からインストールして下さい。
あとは、「ツール」 > 「シリアルポート」を /dev/ttyUSB0 (dmesg に出てきたデバイス名)に設定したら準備完了です。
Arduino IDE は Java アプリで、デフォルトの設定ではフォントがきれいでないのが残念。この設定変更はまたの機会に。
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By ftake @
2019-12-05 00:29
openSUSE Advent Calendar 4日目です。
2019年12月31日(火)東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケットC97でGeeko Magazine Special Edition 2019 冬を発行します。スペースは南ラ-02aです。
今回の内容は次のようになっています:
Linux から Azure Files を使う システム構成管理ツール Uyuni を触ってみた 自動テストツール openQA を使って Live Image をテストする ~ゼロからスタート~30分で作る仮想マシンコンテナホスト openSUSE のデフォルト NTP サーバ設定は使えるのか?pool.ntp.org で提供する NTP サーバを調べてみた 我が輩はギーコである ~続・ちゃんおぷ学園の一日~
当日は2019夏号も若干数持ち込み予定です。コミケ以降も2月のOSC東京や openSUSE 新年会(京都・東京)などでも頒布予定です。
きれいに印刷できるかちょっと心配な表紙
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By ftake @
2019-12-04 00:42
openSUSE Advent Calendar 3日目です。
11月23日、24日に東京都日野市の明星大学で開催されたオープンソースカンファレンス2019 Tokyo/Fall に日本 openSUSE ユーザ会として参加しました。
今回は久しぶりに超特大カメレオンぬいぐるみが登場!宅急便で送ることのできるぎりぎりのサイズの箱に詰められてやってきました。
ブースでは フリーチラシ版の Geeko Magazine を配布しました。
セミナーは川上さんによる「最近よく聞く!? ― eBPF (extended Berkeley Packet Filter) を用いた PostgreSQL の性能測定 」で、Asia Summit の内容を日本語で話してもらいました。難しい内容でしたが、そこそこの人数が集まったので良かったです。
次回は2月21日(金)、22日(土)で、会場は9年ぶりに23区内に戻り駒澤大学です。
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By ftake @
2019-10-20 12:48
10月5日から6日にかけて、インドネシアのバリ島にある Udayana 大学で開催された openSUSE.Asia Summit 2019 に参加してきました。2014年に始まった Asia Summit はもう6回目で、インドネシアでの開催は2016年のジョグジャカルタに続き2回目です。
今年は地元のインドネシアを中心に約350名が集まり盛大に開催されました。アジア(台湾6人、日本5人、他)はもちろん、今年はヨーロッパ圏からも参加者が集まりました。
バリ島へは成田から1日1便だけの直行便で行きました。4日の夕方に到着して、Udayana 大学のボランティアの学生さんにホテルまで連れて行ってもらいました。
0日目(Community meeting)
中国の重慶から来ている Hillwood に誘われ、GWK カルチャラルパークへ。ホテルからちょっとした散歩かと思えば、けっこうな山道で炎天下の中1時間ほど歩きました。空港からも見える巨大像があります。歴史のあるところなのかと思いきや、この像は最近完成した新しいものだそうです。
午後は空港近くのコワーキングスペースに移動し、主要なメンバーが集まる Community meeting が行われました。新しい openSUSE Board Chair の Gerald とも(全員)初めての顔合わせでした。会議はおもにドキュメンテーションの話で盛り上がり、マニュアルや動画の活用について意見が飛び交いました。
この日のメイントピックの1つは来年のAsia Summitについてだったのですが、肝心の提案者であるインドの Shobha が来られず、消化不良感のまま終了しました。
Community meeting の会場からバスに乗り込み、一路 Welcome party の会場である Jimbaran ビーチのレストランへ。ここで台湾や2016年の開催で出会い、2017年に日本に来てくれたメンバーと次々合流しました。シーフードを食べつつ、楽しい時間を過ごしました。
1日目
ホテルから大学までは 1.5 km ほど離れており、大学は山の上にあります。普通はタクシーを使うところ、日本チームは徒歩を選択。20分ほど歩きました。タクシーを使ったときもありましたが、基本的には徒歩でした。この記事の頭にある写真がエントランスの様子です。
いよいよ開会。私は 2016年のAsia Summitを経験しているので、あまり驚かないのですが、国会斉唱、ダンスで始まります。
大学からの挨拶では、今ではあらゆるところで Linux が使われているので、今回の Asia Summit を通して、学生にはより Linux に慣れ親しんで欲しいとメッセージがありました。30人弱の学生ボランティアが集まっており、openSUSE や Linux をまずは使ってもらって、2016年のときのように来年の Asia Summit にも来てもらえるようになれば良いなと思います。
講演は openSUSE Board の Axel, Gerald, Simon の3人からの基調講演でスタート。Axel は openSUSE プロジェクトに関わる数字を紹介し、30万ユーザーが毎月ダウンロードしていること、未だに 13.2 や 1回だけであるが 10.1 のダウンロードがあること、opensuse-de の購読者が 600 人に対して、opensuse-ja は 389 人であること、486人の openSUSE Member がいることなどが取り上げられました。
Gerald からはコミュニケーションの話で、インドネシア語の Selamat Pagi!(おはようございます)は、口角が上がって、みんな笑顔になるねという話がありました。発表の中で SUSE の CEO Melissa からのビデオメッセージがあり、openSUSE は引き続き重要なプロジェクトであること、その後に Gerald からも、SUSE と共有しているインフラなどの諸課題について解決していくと話がありました。
Simon からは、今後の法的な組織体制の話で、openSUSE の特に財政面で支える財団の設立などについて説明がありました。現在はプロジェクトの名前を変えるかどうかの投票が行われています。
最初のセッションは「Using Portainer (Docker Container Management) at openSUSE Leap 15.1」を聴きに行きました。Portainer はコンテナをデプロイ、管理するためのウェブアプリケーションで、テンプレートからのアプリケーションのインストールやネットワーク、ボリュームの管理までできてしまいます。単純に動かすだけであれば、インストールもとても簡単で、Docker が動いているローカルマシンでは、とりあえず動かしておいても良いかもしれません。
docker run -v /var/run/docker.sock:/var/run/docker.sock -p9000:9000 portainer/portainer
お昼ご飯はお弁当。写真には写っていませんが、お弁当には果物が付きもので、ジョグジャカルタはバナナでしたが、バリ島ではみかんのようです。
午後は「We are openSUSE Asia Community」という、Sunny 提案のワークショップ枠の講演へ。中身はみんなで分担しており、openSUSE.Asia のホスト募集、日本のコミュニティの紹介、グローバルコミュニティへの参加方法について20分ほど話しました。
写真はKukuhによるインドネシアコミュニティの紹介で、企業訪問もしているのだとか。遅れていた Shobha もここで合流し、無事インドコミュニティの話を聞くことができました。この1年の間に openSUSE のインストールイベントや、定期的なミートアップを始め、熱心な学生もいるそうです。
裏番組だった hatochan の発表を見に行くと、発表の最後でのお土産タイムで前回同様盛り上がっていました。
1日目の夜は発表者、ボランティアを交えてのパーティ。日本人チームはここでも徒歩を選択。野生の鶏(放し飼い?)を見つけたりしながら会場へ。交通量が比較的多く、空気が良くないのであまり歩きすぎないことをオススメします。
パーティはご飯をそれぞれ取って、あとは適当にテーブルで話すスタイルでした。私はインドネシアからの発表者が集まるテーブルへ。2017年に発表者として日本に来てくた Moko と Alin 夫婦が今年生まれた子供を連れで参加していたりすごい。
日本政府のインダストリー4.0の政策について聞かれて(具体的に何もできていない話が多くて)回答に困ったので、hatochan を呼んで来たときの図。
1日目の録画とハイライトはこちらにあります:
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2日目
今回のロゴコンテストの優勝者への記念品の贈呈に続いて、これまでの openSUSE.Asia Summit の記録が集められたアルバムが Sakana から Kukuh へ。そろそろページが足りなくなりそうな予感です。
この後、Simon と GNOME の Neil からそれぞれキーノート。OSS の活動するときに、人にはキャパシティがあるんだから、燃え尽きるなよという話や、Jim Zemlin が2017年は Linux デスクトップの年だという発表をしたときに Mac を使っていたと言うような話がありました。(レポートが長くなってきて、だんだん適当になってきました)
2日目の最初に私の発表。内容は openSUSE Conference と同じで Geeko Magazine についてでした。Douglas からは LibreOffice からコピペじゃなくて、インポートしないの?と聞かれましたが、LibreOffice から良い感じにスタ イルを Scribus 上のものとマッピングしてくれないと意味が無かったりで使っていないです。Sunny からはどのくらいの期間でどのくらいの量を売り切るのかという質問で、1年以内に150部配りきっています。
前から気になっていた Cedric による Uyuni の話へ。Uyuni の使い方の話をすっ飛ばして開発の話でした。Uyuni は SUSE Manager の upstream という位置づけで(SUSE Manager は space walk の fork だった)、OS をインストールしたり、構成管理をするためのウェブアプリケーションです。
Uyuni のフロントエンド部分は Spring + JSP の Java ウェブアプリケーションで、裏側では Salt Stack など色々なものが動いているようです。Maven ではなく OBS から依存するライブラリを取ってくる仕組みを使っているなど、開発するときにはいろいろとはまりどころがありそうです。
井川さんの「How to Participate Open Source development」。
井川さんと同じ時間帯にやっていた Ish の MicroOS ワークショップが気になり15分だけ様子を見に行きました。cgroup の説明から podman コマンドの使い方など、裏側の話もちょいちょい入っており、日本で1回、このハンズオンをやってみても良いかもしれませんね。
いよいよ2日間の Asia Summit もクロージングへ。イベントのラストはライトニングトーク大会です。といっても、Sunny がもっと英語で話そう、今から前に出てきて1分間話せたら、お土産をあげようと言った発表!?をやったりと、自由な感じでした。
ドラがとてもでかい!本来であれば、大学のフォーマルなイベントで使用するためのものだそうです。
インドの Shobha による来年の Asia Summit を Delhi の Faridabad で開催する提案。昨年に引き続き2回目の提案で、課題だった今年はローカルの体制もだいぶ強化されました。
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3日目
楽しい楽しい Ubud と Uluwatu への 1 day ツアーのはずが、お腹を壊してホテルに1日籠もっていました。なのでレポートはありません…。食べ物に気をつけるのはもちろんですが、疲れて抵抗力が落ちるのも危険です。
4日目
午後には体調がだいぶ良くなったので、昼過ぎから車をチャーターして、1日遅れで Ubud へ連れて行ってもらいました。帰りの便は翌日の0:45だったので、荷物を載せて行き、空港で降ろしてもらいました。
おわりに
openSUSE.Asia Summit は発表を聞くだけのイベントではなく、openSUSE コミュニティメンバーが集まり、face to face でコミュニケーションを取るためのイベントです。きちんと発表プロポーザルをかければ(コツがあります)、発表のハードルもそれほど高くありません。旅費についても openSUSE Travel Support Program により、最大 80% 補助が出るため、時間だけ確保できれば心配はありません。ぜひ、来年は参加してみて下さい。