今日は Windows や Mac でおなじみの商用のアンチウイルスソフト Sophos Antivirus の個人向け無償版のを Leap 42.1 にインストールする方法を紹介します。

まずはダウンロードします。以下の URL からダウンロードできます。
https://www.sophos.com/ja-jp/products/free-tools/sophos-antivirus-for-linux.aspx

ダウンロードまでの間に、氏名とメールアドレスなどを2回求められます。2回目は米国輸出管理法の輸出先の確認のためのようです。職業は「個人利用者」、会社名は「個人」とでもしておけばよいでしょう。

ここからはターミナルで作業です。ファイルを回答してインストーラーを走らせるだけです

ここからはインストーラの指示に従って作業を進めます。まずは使用許諾契約に同意します。Enter キーを押して契約書を表示して、読んだあとに、Yキーで同意します。

ライセンス内容に同意しますか? はい(Y)/いいえ(N) [N]
> y

次にインストール先を求められます。特にこだわりがなければそのままで問題ありませんので、何も入力せずにEnterを押します。なお、インストール先には1GB程度の空き容量が必要なようです。

Sophos Anti-Virus のインストール先を指定してください。 [/opt/sophos-av]
>

アプリケーションからファイルにアクセスしたときに検索を行う、オンアクセス検索を有効にします。

オンアクセス検索を有効にしますか? はい(Y)/いいえ(N) [Y]
>

アップデートのダウンロード元です。そのままでOKです。

オートアップデートの種類を選択してください: ソフォス(s)/自社サーバー(o)/なし(n) [s]
>

今回は無償版を使うので f を入力します。

SAV for Linux の無償バージョン (f) と サポート対応付きバージョン (s) のどちらをインストールしますか? [s]
> f

プロキシは必要に応じて設定してください。

ソフォスからアップデートを行うためにプロキシが必要ですか? はい(Y)/いいえ(N) [N]
>

しばらくすると、インストールが終わります。動いているかを確認するには、savdstatus コマンドを使います。

openSUSE にこの方法でインストールすると、オンアクセス検索を行うために、fanotify とよばれるファイルへのアクセスイベントを捉える仕組みが使われます。現時点では fanotify を使った検索が、NFS と CIFS (Samba) で有効になっていると問題があるようです:
https://www.sophos.com/ja-jp/support/knowledgebase/14377.aspx

対策としては、NFS や CIFS でマウントしたディレクトリを検索対象から除外すれば良いようです。どうやって除外するかというと、savconfig コマンドの ExcludeFilePaths で、除外するファイルまたはディレクトリのパスを指定します。複数のパスを追加したいときは、繰り返しsavconfigを実行します:

除外する範囲は、ファイルシステム名でも指定できるようです。ExcludeFilesystems で除外するファイルシステムを指定します。ファイルシステムの名前は /proc/filesystems に書かれたものを入力すればよいそうです。

昨年9月に20人以上を集めた openSUSE mini Summit を今年も開催します。イベントの詳細はこちら:
https://opensuseja.doorkeeper.jp/events/46644

openSUSE の活用事例や、調べたことの紹介などの発表者を募集しています。特にライトニングトークについては、自己紹介を兼ねて気軽にエントリーして頂ければと思います。

一人でも多くの方のご参加をお待ちしております。

OSC 2016 群馬

By ftake @ 2016-05-16 23:15

5月14日(土) に群馬で初めてオープンソースカンファレンスが開催されたので行ってきました。一応、首都圏とは言え、神奈川からは上野東京ラインで2時間半の旅です。埼玉と群馬の県境に何かあるのか、休日おでかけパスも埼玉県内の神保原までしか行けない(240円乗り越し)そんな場所です。

会場は、駅前のヤマダ電機のイベントスペースです。ヤマダ電機は高崎が創業地のようで、地元の人が集まるちょっとしたショッピングセンターになっていました。各種イベントに対応できるようにするためか、舞台袖のあるステージや、各所に天井モニターまであり、展示スペースからもちゃんとセミナーの資料が見られるようになっており、レベルの高い会場でした。駅周辺のヤマダ電機の広告スペースで OSC の告知がされており、いつもの OSC とはちょっと違う様子でした。

ユーザ会では、ブースとセミナーを行いました。セミナーは「開発環境として Linux デスクトップを使ってもらおう」作戦で、コマンドラインテクニックです。今回は SSH 環境で使えるような物が集まっていますが、次回以降は Konsole や GNOME Terminal の使い方なども取り入れていこうと考えています。

写真

autoyastがほぼうまくいった

By ribbon @ 2016-05-15 18:10

ほぼ、autoyast がうまくいきました。

うまくいかなかった原因はいくつかありますが、おそらく、openSUSEインストール時に作成するautoinst.xmlがバグってます。たぶん。

通常はインストールするパッケージがずらっと並ぶのですが、なぜか、そのパッケージを*削除*する一覧がくっついているのですね。こんな感じで。

<patterns config:type=”list”>
<pattern>yast2_basis</pattern>
<pattern>x11</pattern>
<pattern>sw_management</pattern>
<pattern>lxde</pattern>
<pattern>fonts</pattern>
<pattern>enhanced_base</pattern>
<pattern>apparmor</pattern>
<pattern>base</pattern>
<pattern>multimedia</pattern>
<pattern>remote_desktop</pattern>
</patterns>
<remove-packages config:type=”list”>
<package>zypp-plugin-python</package>
<package>zisofs-tools</package>
<package>ypbind</package>
<package>yp-tools</package>
<package>yast2-vm</package>
<package>yast2-users</package>
<package>yast2-tune</package>
….

これじゃ、パッケージの依存関係が正しくなるわけがありません。セクションを手動で削ったらほぼうまくいきました。あと、セクションもうまくハンドリング出来ないので、ここも削ります。

ただ、lxde環境だと、更に問題があります。起動時にlxdmが設定されません。xdm になってしまいます。しかし、kde環境を指定してインストールすると、ちゃんとkdm が指定されて、起動するので、lxdmに設定するという部分が抜けちゃっているのだと思います。

 

autoyastがうまくいかない(状況)

By ribbon @ 2016-05-06 22:40

autoyastを使って自動インストールをしようとしていますがうまくいきません。普通にインストールするとき、インストールした状況を/root/autoinst.xml というファイルに書き込むように指示出来るのですが、そのファイルを自動インストール時に使ってもインストール途中に、パッケージの依存関係解決に失敗します。

そもそも、インストールパッケージに不要なものが入ってしまいます。たとえばこんな感じで、本来DVDに入っていないパッケージが入ってしまっています。

autoyastbad01

試しにこれらのファイルを手でautoinst.xml から取り除いても結果は同じでした。途中でこんな感じになります。

autoyastbad02

bashはインストールされ、存在するパッケージなのですが、なぜか依存関係が破綻していると思われています。理由は謎です。

 

前回(http://blog.geeko.jp/ribbon/1296) では、途中までしかうまくいきませんでしたが、その後いろいろとやってみて、ほぼうまくいくようになりました。

大まかな流れは、ipxe起動->pxelinux起動->autoyastによる自動インストールとなります。要するに、pxelinux を ipxeでキックしてあげる、ということになります。よってipxe起動以後の手順は、SUSEのマニュアルにある、自動インストールの説明とほぼ同じになります。


準備

◆1 dhcpの設定

前回と違い、ipxe起動ファイルをtftpのroot直下に置きました。こんな感じになります。

この設定により、iPXEが、OSを起動するための初期スクリプト boot.ipxeをダウンロードすることが出来ます。

◆2 boot.ipxe の準備

内容を整理し、以下のようにしました。

◆3 pxelinxの準備

前回の失敗は、ipxeから起動するLinuxローダに、isolinuxを使用したことでした。これはISOしか見ないようで、ネットワークブートには対応していなかったようです。ネットワークブートに必要なのはpxelinuxなので、これを、/usr/share/syslinux/pxelinux.0 から /srv/tftpboot にコピーします。続いて、/srv/tftpboot配下にpxelinux.cfg ディレクトリを用意します。

◆4 ブート用ファイルの準備

SUSEの自動インストールの説明のように、linux initrd message biostest memtest を、インストールCDイメージから(たとえば/srv/tftpboot/install/leap42/CD1/boot/x86_64/loader/から)コピーします。

◆5 pxelinux.cfg/default ファイルの作成

pxelinuxが使う設定ファイルを用意します。基本的には インストールイメージ内にあるisolinux.cfgをコピーし、配下の以下のように用意しました。単なる自動起動だけであれば、不要な項目も多いですが….

◆7 autoyast.xml を用意する

あらかじめ作成したautoyast.xml をインストールイメージに(この場合は、/srv/tftpboot/install/leap42/CD1/)コピーします。

◆8  起動する
まず、ipxeで起動すると以下の画面が出ます。

pxeok

enterを押すか、タイムアウトまで待つと、ipxeがsyslinuxを起動します。

syslinuxok

enterを押すか、タイムアウトまで待つと、openSUSEが起動します。そして、autoyast.xml が処理され、自動インストールが始まります。

autoinstall-01

ただ、手動でインストールしたautoyast.xmlが、なぜか不正なため、インストール処理は失敗します。

autoinstall-02

とりあえずここまで出来るようになりました。

 

openSUSE mini sumitでも話ましたが、openSUSEを自動インストールしようとして試行錯誤しています。すべて仮想環境でテストしているのですが、なかなかうまくいきません。

仮想環境は、debian ベースの proxmoxVEを使っています。これが、なかなか便利で、Webベースで仮想マシンを立てたりつぶしたり、VNC経由で仮想マシンとサクッと繋がる、バックアップも取れる、やろうと思えば高可用性構成も取れるなど、便利な機能がてんこ盛りです。VMware ESXi と比べると、機能的に劣るところもありますが、個人ベースで使うには十分すぎるくらいです。

ただ、この仮想環境、ちょっと変わったところがあって、仮想OS用のBIOSに、iPXEが組み込まれているのですね。PXEではなくて。なので、ネットワークブートを行う時は、PXEのノウハウがあまり使えません。とりあえず、今やっていることをメモとして書いておきます。


準備

◆1 dhcpの設定

iPXEを使う時には、dhcpで、インストールサーバの情報を設定する必要があります。dhcpの設定はyastからも出来ますが、今回は直接 /etc/dhcpd.conf を設定しました。こんな感じになります。

default-lease-time 14400;
subnet 192.168.10.0 netmask 255.255.255.0 {
range 192.168.10.101 192.168.10.127;
default-lease-time 14400;
max-lease-time 172800;
}
if exists user-class and option user-class = “iPXE” {
filename  “iPXE/boot.ipxe”;
}
else  {
filename “iPXE/undionly.kpxe”;
}
next-server 192.168.10.41;

この設定により、iPXEが、OSを起動するための初期スクリプト boot.ipxeをダウンロードすることが出来ます。

◆2 tftpの設定

tftpの設定はyast から行います。特に標準のままで問題ありません。なお、tftpはxinetd配下から起動することになります。

◆3 httpdの設定

httpdを設定します。rootディレクトリは、/srv/tftpboot/install/ にします。

◆4 OSイメージの展開

yast の、インストールサーバ設定から、OSイメージを展開します。サブディレクトリは、leap42にしてみます。

◆5 OSイメージの配置

/srv/tftpboot 配下にOSのISOイメージを置きます。

◆6 boot.ipxe の作成

ひな形は、ここにあります。こんな感じになっています。

#!ipxe
menu Please choose an operating system to install
item –gap openSUSE
item isolinux isolinux boot
item efi efi boot
item iso iso boot
item –gap ipxe shell
item shell       Drop to iPXE shell

choose target && goto ${target}

:failed
echo Booting failed, dropping to shell
goto shell

:shell
echo Type ‘exit’ to get the back to the menu
shell
set menu-timeout 0
set submenu-timeout 0
goto start

:isolinux
kernel http://192.168.10.41/install/leap42/CD1/boot/x86_64/loader/isolinux.bin initrd=http://192.168.10.41/install/leap42/CD1/boot/x86_64/loader/initrd install=http://192.168.10.41/install/leap42/CD1/
initrd http://192.168.10.41/install/leap42/CD1/boot/x86_64/loader/initrd
boot || goto failed

:efi
chain   /install/leap42/CD1/EFI/BOOT/bootx64.efi initrd=initrd install=/install/132/CD1
initrd  /install/leap42/CD1/boot/x86_64/loader/initrd
boot || goto failed

:iso
sanboot http://192.168.10.41/leap42.iso
boot || goto failed


やってみました

◆1 isolinux でブートする

展開されたISOイメージ内にはisolinux.bin があります。これを直接指定してみます。結果は

isolinux-bad

と、あえなく撃沈。

◆2 EFIでブートする

展開されたISOイメージ内にはEFI用のブートコードがあります。これを指定してみます。結果は

efi-bad

と、これも撃沈。

◆3 ISOイメージをブートする

iPXEには、SANからブートする機能があります。この機能を使うと、ISOイメージをそのままブートすることが出来ます。結果は、

iso-ok-01

と、ISOブートと同じ画面が出ます。ただ、この後そのまま続行しても、インストールデータがネットワークブートしたkernelから直接読めるわけではないので、

iso-ok-02

と、インストールデータがある場所を要求してきます。ここに、httpで取得出来るURLを入れてあげればそのまま続行出来ます。

とりあえずここまでは出来ています。