2024年振り返り

By ftake @ 2024-12-26 01:07

openSUSE Advent Calendar 2024 最後の記事です。openSUSE.Asia Summit の反動や、海外への旅立ちなどなど、なかなか厳しい結果となりました。そんな中でも若手メンバー3人が書いてくれたので、まぁ良かったかなと思います。

最後は、恒例の1年の振り返りです。

1月

OSC 大阪に出店しました。新幹線+宿のセットプランで行ったら、平日ということで色々なクーポンがついてきたため、前日に百舌古墳群に行ったり、あべのハルカスに行ったりと、大阪観光を満喫していました。夜はユーザ会関係者で前夜祭ということで、気づいたらたくさん串揚げを食べていました(2周目に入ったところで終了)

2月

Asia Summit の企画書を書く会議をした記録があります。

3月

OSC 2024 Tokyo/Spring に出展しました。オフラインの OSC も定着してきたので、関東に住んでいる若手にも新しく手伝ってもらいました。20代が3人もいて頼もしかったです。

4月

OSunC 川越に参加しました。

5月

まずは技書博こと技術書同人誌博覧会に参加しました。なんだかんだ出展者としての参加は初めてでした。奥に樽酒が少し写っていますが、懇親会で鏡割りが行われました。

OSC名古屋にも参加しました。

6月

久しぶりにOSC北海道に参加しました。しかも、一人だけではなく、今年は修太さんに加え、rlysleepynickさんがブース番をしてくれました。北海道は頼んだ!

OSC後はちょっと足を伸ばして知床へ行ってきました。

7月

openSUSE.mini Summit & Leap 15.6 リリースパーティを開催しました。懇親会枠が早々に埋まってしまいましたが、久しぶりの人が多い単独イベントになって良かったです。

OSC京都に参加しています。私は参加していないので記録なし。

8月

コミックマーケットC104に参加しました。Geeko Magazine Special Edition 2024夏号を頒布しました。今回の表紙はパイナップルでした(そろそろネタ切れ)。

9月

Open Developers Conference (ODC) に参加しました。

10月

OSC東京/Fallに参加しました。この日から Open Source Summit Japan、Open Compliance Summit、Japan SBOM Summit、openSUSE.Asia Summitと10日間連続イベントで、かなりハードなスケジュールでした。

11月

openSUSE.Asia Summit 2024を7年ぶりに日本で開催しました。アジアを中心に世界各地から約150名が麻布台ヒルズに集まりました。会場として株式会社SHIFT様に、本社のエントランスホールとカンファレンスルームを提供いただきました。

イベントレポートは年明けになりそうです。

12月

今年もopenSUSE Advent Calendarを開催しました。Advent Calendarはコミュニティ活動への入りやすい入り口ですので、ぜひ、来年はご参加ください。

12月30日にはコミックマーケットC105に出展し、Geeko Magazine Special Edition 2024冬号を頒布します。ぜひお越しください。

おわりに

2024年はAsia Summit開催のため奔走した1年となりました。2025年は2日間オフライン開催、セミナーありのフルサイズの OSC 東京/Spring が帰ってきます。会場は23区内、駒澤大学です。これ以外にも国内イベントや、できればハンズオンなどのイベントも開催していければと思います。

Geeko Magazine Special Edition 2024 冬

By ftake @ 2024-12-16 00:32

12月30日(月)コミックマーケット C105 2日目に Geeko Magazine Special Edition 2024 冬号を発行します。スペースは西2ホール”う”-04a です。午後は比較的空いていますので、チケットを事前にご購入の上、お越しください。

今回の内容は次のようになっています:

  • openSUSE.Asia Summit 2024 開催
  • Proxmox VE の CPU 回りの変更を少しだけ追いかけてみた
  • AVX 命令を使うプログラムが Proxmox の仮想マシンで動かない
  • ARM サーバーのリファレンスモデル “SBSA” ゲストを KVM ホスト上で動作させてみよう
  • 小説エーデル・シュティメ「秋雨のカメレオン・パニック」
  • Krita と AI で描く賑やかな openSUSE.Asia Summit の光景

以前から告知しています通り、 2024/11/2〜3 に openSUSE.Asia Summit 2024 は東京で開催されます!
参加登録は Connpass からお願いします。

LT発表者募集

さて、今回の openSUSE.Asia summit 2024 も前回東京開催時と同様、LT=Lightning Talkも行います。
発表時間は1人5分! 2日目、11/3 の全セッション終了後に枠を用意しています。
openSUSE や OSS に関わる内容であれば、どのような内容でも構いません。
限られた時間の中で、openSUSE やその他 Linux に関する熱い想い(?)を是非語り尽くしてください!

LT発表募集はこちらの Googleフォームからお願いします。
発表申込締切は、 10/26(sat) です!
アジアから多くの参加者が見込まれますので、スライドは英語にてお願いします。
※発表は日本語でもかまいません

openSUSE.Asia Summit 2024 への参加登録、及びLT発表を心よりお待ちしております!

Geeko Magazine Special Edition 2024夏

By ftake @ 2024-08-01 23:07

この夏も Geeko Magazine Special Edition を発行します。最初の頒布はコミックマーケットC104 月曜日 西す04a です。ぜひお越しください。

Web カタログ

  • openSUSE Leap 15.6 リリース
  • openSUSE & WireGuard で VPN サーバーを構築する
  • Proxmox VE でお試しクラスタ
  • Proxmox VE で LXC コンテナを使う
  • openSUSE でロシア語入力を楽しむ
  • Leap Micro 6.0 + Rancher + k3s で Mastodon サーバー構築してみた
  • エーデル・シュティメ―カメレオンとパンダとツンとデレ
  • 今話題の AI 技術 BitNet で CIFAR10 を解かせてみた!

告知しています通り、openSUSE.Asia Summit 2024 Tokyo を2024年11月2日(土)、3日(日) に麻布台ヒルズの株式会社SHIFTさんで開催します。
openSUSE.Asia Summit はアジア地域の openSUSE コミュニティ(貢献者、ユーザー)が一堂に集まり、交流し、楽しむイベントです。

openSUSE.Asia Summit 2024ではopenSUSE以外にも,Dockerなどのコンテナ,DevOps,日本語IMEなどのLinux Desktop,オープンソースのオフィススイートであるLibreOfficeやセキュリティについてなど幅広いトークを予定しています。また、AlmaLinux、Debian、Ubuntuなどの主要ディストリビューションの講演があるCross Distro Trackもあります。

この openSUSE.Asia Summit 2024 Tokyoにて、学生ボランティアを募集しています。
アジアのオープンソース関係者と交流するまたとない機会です!

学生ボランティアには素敵な特典をご用意。

  • イベントTシャツ
  • 懇親会11/2(土)のご招待

交通費について

  • 関東近郊:交通費実費。上限目安:四日間で4000円(これを超える場合はご相談下さい)
  • 宿泊を伴う場合:交通費、宿泊費実費ないし一部。ご相談下さい。(8/20までに予定する交通費、宿泊費をご連絡ください)

ボランティアの仕事

  • 会場の準備
  • 来場者受付
  • スピーカーのサポート(マイク、タイムキーパーなど)
  • 4日(月祝)のツアーのサポート

希望するセッションには基本的に参加できます。英語が出来なくても問題ありません。また、発表者として発表されることを推奨します。

詳細

  • 日時
    • 2024年11月1日(金)17:00-19:00
    • 2024年11月2日(土)8:00-20:00
    • 2024年11月3日(日)9:00-20:00
    • 2024年11月4日(月祝)※ツアー(詳細未定)
  • ※全時間ではありません。
  • 会場:麻布台ヒルズ 株式会社SHIFT
  • 募集条件: 少なくとも土曜日に参加できること(土曜日に参加できない場合は応相談)

お手伝いいただける方は、以下の情報をopensuse-asia-24-contact@googlegroups.comまでお送りください。

  • 氏名:
  • 氏名よみがな:
  • 所属(大学名/学部名):
  • Tシャツサイズ(XS / S / M / L / XL):
  • メールアドレス:
  • 参加日:
  • 必要な交通費:

イベント詳細については以下をご覧ください。

沢山のご応募をお待ちしています。明日のOSSを担うのは君だ!

これまで自宅用の VPN はルーターの機能の L2TP/IPSec を使っていました。しかしながら、Android 12から L2TP/IPSec が使えなくなったり、もともと接続元のネットワーク環境次第で接続できないという制約もあり、VPN を WireGuard に乗り換えることにしました。

WireGuard は Linux カーネルに組み込まれている VPN プロトコルで、特にセキュリティとパフォーマンスを売りにしています。

構成はこんな感じです。VPN 接続用の IP アドレスは固定です。

  • 自宅側
    • ルーター
      • ヤマハのダイナミックDNSサービスで IP アドレスを引ける
    • VPNサーバー(ファイルサーバー)
      • openSUSE Leap 15.5
      • LAN側アドレス (eth1): 192.168.10.2(インターネットには直接つながってない)
      • VPN側アドレス: 192.168.2.1
      • ポート: 51820
  • リモート側
    • Android 14 スマートフォン
      • VPN側アドレス: 192.168.2.2
    • Android 13 タブレット
      • VPN側アドレス: 192.168.2.3
    • openSUSE Leap 15.6 ノートPC
      • VPN側アドレス: 192.168.2.4

秘密鍵・公開鍵を作成する

VPN に参加するサーバーとクライアントそれぞれの秘密鍵・公開鍵を作ります。openSUSE が動いている PC で以下のコマンドでそれぞれ作成します。

wg genkey | tee privatekey | wg pubkey > pubkey

privatekey と pubkey に秘密鍵と公開鍵それぞれが保存されます。合計3回実行することになります。

VPNサーバー側の設定

今回の説明の範囲外ですが、ルーターでポートフォワーディングの設定をしておきましょう。必要なポートはUDP 51820です。192.168.10.2 に転送するようにしておきます。

まずは VPN サーバー自体のネットワーク設定です。WireGuard そのものにはプロトコル上、サーバーとクライアントという関係はなく、どちらもサーバーでありクライアントなシンプルな構成です。後は WireGuard をどのような用途で使うかによって設定が変わってくるため、WireGuard の説明を見るときに、用途を意識してドキュメントを見ないと混乱するので注意が必要です。

今回は自宅で常時起動しているファイルサーバーを VPN サーバーの役割を持たせて、自宅のネットワークにつなぎたい端末からこのサーバーに繋いで使用することにします。ここからはいつもの Arch Wiki に感謝ですが、「特定のユースケース: VPN サーバー」 を見ることで、この用途の設定方法がわかります。

はじめに、転送とファイアウォールの設定です。YaST でやってしまいましょう。

  • YaST > 「ネットワーク設定」 > 「ルーティング」を開き、「IPv4 転送を有効にする」をON
  • YaST > 「ファイアウォール」 で使用しているゾーンで「ポート」 > 「UDP ポート」 に 51820 を追加

次に、WireGuard の設定をしていきます。wg コマンドで設定する方法もあるのですが、設定ファイルを直接作成するのが手っ取り早いです。

/etc/wireguard/wg0.conf

[Interface]
PrivateKey = VPNサーバーの秘密鍵
Address = 192.168.2.1/24
ListenPort = 51820
MTU = 1420

PostUp = iptables -A FORWARD -i %i -j ACCEPT; iptables -t nat -A POSTROUTING -o eth1 -j MASQUERADE
PostDown = iptables -D FORWARD -i %i -j ACCEPT; iptables -t nat -D POSTROUTING -o eth1 -j MASQUERADE

[Peer]
PublicKey = Android 14 スマートフォンの公開鍵
AllowedIPs = 192.168.2.2/32

[Peer]
PublicKey = Android 13 タブレットの公開鍵
AllowedIPs = 192.168.2.3/32

[Peer]
PublicKey = openSUSE Leap 15.6 ノートPCの公開鍵
AllowedIPs = 192.168.2.4/32

この設定から、VPN 用のインタフェース wg0 を作成します。Systemd を使用して、起動時に WireGuard インタフェースを立ち上げる便利スクリプトの wg-quick を使います。

systemctl enable --now wg-quick@wg0

クライアントの設定―openSUSE Leap 15.6

NetworkManager の接続の追加に WireGuard があり、これで接続できます。入力する必要の値は

  • openSUSE Leap 15.6 ノートPC 用の秘密鍵
  • ピア(接続相手: つまり、この場合サーバー)の設定
    • VPNサーバーの公開鍵
    • Allowed IPs (VPN を通して通信するアドレスレンジ)
      • LANとVPNのアドレスレンジ: 192.168.10.0/24, 192.168.2.0/24
      • 自宅LAN経由でインターネットに出たい場合は 0.0.0.0/0 を指定して、全部を VPN 経由にすることも可能

クライアントの設定―Android スマートフォン

Wireguard の接続アプリは Play Store から入手できます。NetworkManager と同様に手入力でもよいのですが、以下のようなファイルを PC 上で作成して QR コード化して送ることもできます。

[Interface]
Address = 192.168.2.3/24
PrivateKey = Android端末の秘密鍵
DNS = 192.168.10.1
MTU = 1420

[Peer]
PublicKey = VPNサーバーの公開鍵
AllowedIPs = 192.168.10.0/24, 192.168.2.0/24
Endpoint = 外からアクセスできるルーターのホスト名:51820

ファイル名を android-phone.conf とすると、QR コードは次のようにして作成できます。

qrencode -t ansiutf8  < android-phone.conf

qr コマンドでも同じことができます。

だいぶ前に秋葉原の中古携帯ショップで買った NEC のモバイルルーター、Aterm MR04LN。USB テザリング機能があるのですが、接続してもネットワークデバイスとして認識してくれません。

必要なカーネルモジュール (rndis_host) が自動で読み込まれていないようなので、以下のコマンドで手動で読み込み解決しました。

sudo modprobe rndis_host