この記事は openSUSE Advent Calendar 2022 の12日目です。

systemd が使われるようになると、daemon の制御とかのやり方は大きく変わりました。/etc/init.d にあるスクリプトから、systemd パッケージに含まれるコマンドを使うようになってきました。それらのコマンドは、xxxxxctl という、末尾に ctl が含まれるものが多いように感じました。そこで、/usr/bin/ の中にある、末尾が ctl なプログラムがどんなものかを簡単に調べて見ることにしました。

今回は、timedatectl を紹介します。

コマンド名: timedatectl
パッケージ: systemd-249.11-150400.6.8.x86_64
動作: ○

詳細:
timedatectl は、システム時刻の表示/変更を行うコマンドです。引数なしで起動すると以下のような形で日付と時刻を表示します。また、引数 show を指定すると、機械で処理しやすい形で表示します。

日付の変更もできます。但し、NTP が動作している場合は、一旦 NTP の同期を止めてからでないと変更ができません。ここは date コマンドと違うところです。

日付や時刻の変更は、時刻同期機能を入れておけば使う事は少ないと思いますが、date コマンドよりは情報量が多いので、場合によっては便利かもしれません。

この記事は openSUSE Advent Calendar 2022 の10日目です。

systemd が使われるようになると、daemon の制御とかのやり方は大きく変わりました。/etc/init.d にあるスクリプトから、systemd パッケージに含まれるコマンドを使うようになってきました。それらのコマンドは、xxxxxctl という、末尾に ctl が含まれるものが多いように感じました。そこで、/usr/bin/ の中にある、末尾が ctl なプログラムがどんなものかを簡単に調べて見ることにしました。

今回は、powerprofilesctl を紹介します。

コマンド名: powerprofilesctl
パッケージ: power-profiles-daemon-0.12-1.2.x86_64
動作: ○

詳細:
powerprofilesctl は、電源モードの表示や変更を行うプログラムです。powerprofiles は GNOME の 設定→電源 で表示される電源モードになります。プロファイルの一覧、現状のプロファイル状態は以下のようにして表示できます。

また変更は下記のように行えます。

ただ、電源プロファイルを変更することはほとんど無いので、このコマンドの出番はあまりないのかもしれません。

この記事は openSUSE Advent Calendar 2022 の7日目です。

systemd が使われるようになると、daemon の制御とかのやり方は大きく変わりました。/etc/init.d にあるスクリプトから、systemd パッケージに含まれるコマンドを使うようになってきました。それらのコマンドは、xxxxxctl という、末尾に ctl が含まれるものが多いように感じました。そこで、/usr/bin/ の中にある、末尾が ctl なプログラムがどんなものかを簡単に調べて見ることにしました。

今回は、loginctl を紹介します。

コマンド名: localectl
パッケージ: systemd-249.12-150400.8.13.1.x86_64
動作: ○

詳細:
loginctl は、systemd の login マネージャからの情報を表示したり設定するためのツールです。表示に関しては、従来の w コマンドや ps コマンド などの機能が含まれています。たとえば、現在ログインしている情報は、下記のように表示されます。

w コマンドではこのように表示されます。表示する内容がかなり異なります。

自分自身のセッション情報は session-status サブコマンドで表示できます。

さらに、 user-status サブコマンドで、詳細な情報を得ることができます。pstree コマンドにも似た感じです。

そのほかに、セッションを強制切断する kill-session サブコマンドがあります。たとえば、ssh でログインしているセッションを強制切断するためには、
1) w コマンドでユーザを調べる
2) そのユーザが使っている sshd プロセスを ps コマンドで調べる
3) kill コマンドでそのプロセスを終了させる。
というステップが必要でしたが、loginctl では、セッション番号を表示させた後、そのセッションを終了するコマンドを入力することで作業が行えますので、手間が減ります。

loginctl は、表示形式が見やすいので、w コマンドなどと併用すると便利でしょう。

この記事は openSUSE Advent Calendar 2022 の6日目です。

systemd が使われるようになると、daemon の制御とかのやり方は大きく変わりました。/etc/init.d にあるスクリプトから、systemd パッケージに含まれるコマンドを使うようになってきました。それらのコマンドは、xxxxxctl という、末尾に ctl が含まれるものが多いように感じました。そこで、/usr/bin/ の中にある、末尾が ctl なプログラムがどんなものかを簡単に調べて見ることにしました。

今回は、localectl を紹介します。

コマンド名: localectl
パッケージ: systemd-249.12-150400.8.13.1.x86_64
動作: ○

詳細:
localectl は、システムのロケールを表示したり、変更を行うコマンドです。そのほかに、キーボードマッピングの変更も行えます。locale コマンドと loadkeys や kbdconfig の後継とも考えることができます。ただし、機能は強化されています。
ロケールの表示については、 locale コマンドと localectl コマンドでは内容が違い、locale コマンドの方が環境変数に設定されている値を表示するのに対し、localectl コマンドでは、最低限の物のみを表示します。

また、localectl list-locales でロケールの一覧を表示することができますが、その結果は locale コマンドの結果とは異なっていました。locale コマンドで表示できる、UTF-8系以外のロケールが、localectl では表示されません。

但し、localectl でロケールの一覧に表示されていない、たとえば ja_JP.sjis を指定しても、変更することはできました。ちなみに、ロケールの変更は、localectl のサブコマンド set-locale で指定します。

キーボードマップの変更はサブコマンド set-keymap で指定します。これも、loadkeys で指定できるキーマップと異なります。loadkeys の場合ですと、IA アーキテクチャを使用する場合には /usr/share/kbd/keymaps/i386/ 配下にあるキーマップを使いますが、そこにあるマップ一覧と同じものになっています。ただ、標準 jp106 以外の使い道は少ないと思いますが….

localectl でのロケール変更は、システム全体の変更となるので、一時的な変更には使えません。一時的な変更は、環境変数を設定し直すことになります。キーボードの変更についても、loadkeys と同等のことはできますが、locale と言う名前でキーボードの操作、と言うことになるので、ちょっと分かりにくいかもしれません。使い道は限定されそうです。

この記事は openSUSE Advent Calendar 2022 の4日目です。

systemd が使われるようになると、daemon の制御とかのやり方は大きく変わりました。/etc/init.d にあるスクリプトから、systemd パッケージに含まれるコマンドを使うようになってきました。それらのコマンドは、xxxxxctl という、末尾に ctl が含まれるものが多いように感じました。そこで、/usr/bin/ の中にある、末尾が ctl なプログラムがどんなものかを簡単に調べて見ることにしました。

今回は、busctl を紹介します。

コマンド名: busctl
パッケージ: systemd-249.12-150400.8.13.1.x86_64
動作: ○

詳細:
busctl は、D-Bus の状態を表示させたり、設定を行ったりするためのツールです。取りあえず起動してみると、

のように、現在のバスの一覧が表示されます。とは言っても、D-bus がどういう物で、何をしているかを分かっていないと、この表示の意味も分かりませんね。Wikipedia先生に聞いてみると、

D-Bus(Desktop Bus、ディーバス)は、メッセージバスと呼ばれる、アプリケーション間でやりとりを行うための、プロセス間通信 (IPC) 実装の1つである。

なのだそうです。
Unix系のプロセス間通信としては、パイプ、シグナル、ソケットとかいろいろありました。また、KDE や Gnome も独自のプロセス間通信機能を持っていました。それらの乱立を統一化するために作られたのが D-Bus ということになります。
ただ、D-Bus そのものは、ユーザが直接さわる物ではありません。あくまでもプロセス(プログラム)の世界で使われるものです。そのため、busctl も、D-Bus の動作の確認やデバッグ、テスト用に使われるものと思った方がよいでしょう。

この記事は openSUSE Advent Calendar 2022 の3日目です。

メーカー製のプロダクトの一部には、Windows/Mac だけではなくて Linux 向けの物を用意している場合があります。しかし、たまたま使おうとしたものが、Ubuntu 向けしかありませんでした。
そこで、Ubuntu 向けのバイナリ(dpkg として提供されている物) が openSUSE で動くかどうかを試してみました。

結論から言うと、できます。しかもやり方は難しくありません。

まず、Ubuntu 上で、openSUSE で動かしたいバイナリ(dpkg) をインストールします。この時、どこにインストールされたかを控えておきます。dpkg -deb -c dpkg名 とすれば一覧が表示されます。

次に、インストールされたファイルを全部まとめて openSUSE 側に持って行き、展開します。その後、展開したファイル中にあるターゲットのプログラムを起動すれば動作します。

たとえば、QNAP が提供している、QNAP NAS 一覧を表示したり、ログインしたりするためのツール QFinderPro で試してみましょう。Ubuntu 上では、dpkg の内容は

となっています。ですので、/usr/local/bin/QNAP 配下やその他を何らかの手段で openSUSE 側に持って行き、展開します。あとは、 /usr/local/bin/QNAP/QfinderPro/QfinderPro.sh を実行すれば、Ubuntu 向けとして提供されているプログラムが openSUSE でも動きます。

kkc.el はどんなものなのか

By ribbon @ 2022-06-19 22:36

Emacs で日本語テキストを入力する場合、通常は Windows 上のかな漢字変換システムを使っています(Teraterm からつなぎ込んで作業をすることが大半なので)。ATOK 、Google日本語入力、MS-IME(どうしても、という場合)のどれかを使うのですが、コンソールのみで漢字変換が出来ればもう少し楽になります。
色々調べたところ、Ctrl+\ でかな漢字変換モードになる事が分かりました。かな漢字変換モードになると、Emacs 内部でかな漢字変換が出来るようになります。しかし、かな漢字変換のための変換サーバやライブラリをインストールした覚えはありません。しかも、その手のソフトを全く入れていない、FreeBSD でもかな漢字変換モードが動いてしまうのですね。そこで、一体どうやっているのかを探ってみました。

Ctrl+\ でかな漢字変換モードになると、kkc-なんとか というコマンドが使えるようになります。ただ、一覧を出してみても、バージョン情報等はでてきませんでした。そこで、emacs のソースを展開し、kkc というキーワードで展開してみると、 kkc.el というのが見つかりました。中身をみると、この emacs lisp 自体でかな漢字変換作業をしているようです。コメント欄には AIST が作ったと書いてありました。AIST から GNU に寄贈され、GNU Emacs の一部になっていることのようです。ソースは

http://git.savannah.gnu.org/cgit/emacs.git/tree/lisp/international/kinsoku.el?h=emacs-28

にありました。

確かに、他のかな漢字変換システムを使わなくとも、Emacs だけでかな漢字変換作業が出来るのは便利なのですが、機能がちょっと低すぎます。最低限のことしか出来ません。また、カスタマイズも出来ません。どちらかというと、他のかな漢字変換システムが動いていないときの非常用、という感じがします。