By ftake @
2016-01-06 21:53
12月4日〜6日にかけて台湾の国立台北教育大学で開催された openSUSE.Asia Summit 2015に参加してきました。今年は3日間の日程で、初日はワークショップと Ubuntu コミュニティとの共催のリリースパーティが行われ、2日目と3日目は事前応募者による口頭発表が行われました。参加者は事前登録者だけで49人(うち日本人6人)でした。
また、台北の勉強会コミュニティ Study Area との共催で、Study Area のトラックが設定されました。台湾では、平日の夜は仕事を早めに切り上げて、コミュニティ活動に参加する人が多いそうです。
プログラムや当日のスライド(一部)は以下のページから見ることができます
https://events.opensuse.org/conference/summitasia15/
openSUSE.Asia Summit
openSUSE.Asia Summit はアジア地域の openSUSE ユーザや開発者が、実際に顔を合わせてコミュニケーションを取ることを目的としたイベントです。欧米では openSUSE Conference や openSUSE Summit といったイベントが開催されてきましたが、アジア地域からはどうしても参加が難しくなります。そこで2014年に初めて北京で開催し、今回が2回めになります。
開催地の決定は、オリンピックのように開催したい地域のチームが開催計画を提出し、それを審査して決める方式です。2015年は台北とインドのニューデリーのチームが立候補し、台北に決まりました。
Summit の構成はおよそ次のようになっています
- long talk (1時間の口頭発表)
- short talk (30分の口頭発表)
- workshop (3時間程度で、参加者が実際に手を動かしながら進めるセミナー)
- lightening talk (持ち時間10分のライトニングトーク)
集まることが一番大切ということで、発表を現地語で行うことが認められています(スライドは英語)。アジア地域の課題で、北京でも台北でもそうですが、参加者全員が英語が話せるわけではありません。時間帯によっては、すべてのセッションが中国語になってしまうことがありました。
Travel Support Program
openSUSE コミュニティメンバーがイベントに参加することを金銭的に補助する Travel Support Program というものがあります。事前審査に通ると、旅費と宿泊費の最大8割をスポンサーの SUSE が補助してくれます(6万円なら、自己負担は1万2千円)。今回も日本からの発表者は旅費補助を受けて参加しました。
台北へのアクセス
台北は日本から最も行きやすい海外の都市の1つです。(逆も同じようで、毎年のように旅行に来ている人もいます) 所要時間も4時間程度で、LCC も多く飛んでいるため、下手な国内旅行よりも安く上がります。
当初の予定では、金曜日早朝、羽田発の Peach で行く予定でしたが、急遽金曜日に仕事が入ってしまったため、成田20時台の飛行機で台湾に向かいました。台北には街中にある松山空港と、郊外にある桃園空港の2つがありますが、成田からの便は桃園空港に着きます。さすがに到着が23時になると、空港で SIM カードを買えませんでしたが、台北駅までの高速バスは24時間営業で、遅い時間に出発しても台北入りできます。
SIM カードと書きましたが、SIMロックフリー端末(ドコモの端末を解除して持って行きました)があれば、1200円程度で5日間使える SIM カードを入手できます。街中で地図を見たり、何かを調べたりが簡単にできるので、この辺も気軽さに繋がるのではないかと思います。
日本からの参加者
2015年は、Linuxcon Japan の後に、台湾の Sakana を始めとする海外メンバーとの交流会を開催したり、openSUSE mini Summit で宣伝したことで、小江戸らぐ関係者6名が集まりました。
発表者と発表内容は次のようなものでした:
- N. Ogasawara, Vertical Writing feature of LibreOffice
- K. Hatori, Booding directly opensuse iso file by grub2
- F. Takeyama, Redesigning Input-Method Launcher and Management System
- K. Omo, AppArmor UseCases with Docker system on SuSE
2日目
2日目の最初に openSUSE Board を代表して、Michal Hrušecký が基調講演を行いました。最初に、11月にリリースされた Leap 42.1 と、Tumbleweed について触れました。openSUSE のコミュニティには2タイプの人がいて、片方は bleeding edge crazies で、1周間に1回のカーネルアップデートでは静か過ぎると思うような人たちです。もう一方は安定性を求めるような人たちです。先日リリースされた Leap 42.1 は後者を対象としたものですが、SLENTOS (SUSE Linux Enterprise の CentOS) では退屈なディストリビューションになってしまうため、現在の SUSE Linux Enterprise をベースに openSUSE のパッケージを足し合わせる形になりました。
さらに、Michal は openSUSE のプロジェクトの中で、誰が「力」を持っているのか?と問いました。彼の答えは、「力」を持っているのは下記のどれでもなく、「あなた」であると力説しました。openSUSE Project には次のようなチームがあります:
- openSUSE Board
- openSUSE Member による投票によって選ばれるメンバーです。意見が割れた場合に取りまとめる役割があります
- リリースチーム
- Coolo を中心とした、パッケージの最終的な取り込みの判断を行ったりしています。今は誰でもが参加可能で、フルタイムの仕事の枠もあります。
- SUSE
- openSUSE のスポンサーですが、絶対的な権力はありません
- Various teams
- 特定分野のパッケージを開発するチームや、マーケティングなど様々なチームがあります。誰でもが OBS を通して、パッケージを送ったり、マーケティング活動に参加することができます。
上記のチームの活動のほとんどは誰でもが参加でき、1人1人のコミュニティメンバーの協力によって成り立っています。
セッションの間にある休憩時間(今年は多めに設定しました)では、他の参加者と交流するチャンスです。2回目の参加で、Summit 全体の運営メンバーの私の場合は、昨年会った人や、オンラインでしか会ったことのない人との挨拶まわりでした。
初参加でも台湾のメンバーがもてなしてくれます。お菓子をつまみつつ、現地のメンバーが着ていた「逃げたダメだ」Tシャツや HHKB、日本の女優…などの話題で盛り上がっていました。台湾では日本旅行や日本のドラマ、漫画などの人気が高く、大学で日本語を学ぶ人も多いため、日本語を話せる人もいます。
お昼ご飯は、中国本土から来たメンバーと現地の案内人で近所のお店に。この日のお昼ご飯は牛肉麺と水餃子、野菜炒めのセットでした(約640円)。
次回の開催を目指すインドネシアからは、Edwin がジョグジャカルタ特別州で行われてきた Eラーニングプロジェクトの紹介を行いました。このプロジェクトの一環として、500校の小中学校で児童・生徒・教員が使用する PC の OS として、openSUSE Education-Li-f-e が採用されています。
州のサーバーにアクセスするインターネット回線さえない学校もあり、無線のアンテナを建てるところから導入を進めたそうです。また、子供たちは特に気にしなかったものの、教員には Windows 環境から OSS を中心とした環境に乗り換えるハードルが高かったそうです。
小笠原さんは LibreOffice の縦書きの話をしました。せっかく用意した資料がないというアクシデントがありましたが、LibreOffice Conference の発表資料を使って発表していました。台湾は日本と同じく縦書きを使うので、興味を持ってもらえたのだと思います。
2日目最後のセッションは「はとちゃん」による「Booding directly opensuse iso file by grub2」。Grub 2 から、ISO ファイルのライブ CD を直接起動しようと頑張ったけれども、失敗したという話でした。身振り手振りで必死に説明しようとしていました。
夜はスポンサー提供のパーティです。日本でもおなじみのスタイルの、鍋食べ放題でした。ただ火鍋は激辛でした。誰だったかが、日本に行ったとき、最後に鍋にご飯を入れていたのが印象的だった…と言ったために、その場で〆の雑炊の作り方を披露することに…。
パーティの会場で、日本から持ってきていた Geeko Magazine を何人かに配りました。あの表紙に、みんな大興奮で、ぜひ翻訳したいから、クリエイティブコモンズライセンスなどでソースを配布してくれというリクエストが来ています。
3日目
沖縄より南の南国とはいえ、ちょっと肌寒かったのですが、この日は雨でさらにエアコンをガンガンに効かせていたため、とても寒かったです。
中国の SUSE のマネージャの Sunny は、どうやって女性をコミュニティに巻き込むかについて話していましたが、残念ながらネタが中国語で仕込んであったらしく、中国語での発表になってしまいました。最後に、この話を聞いて、彼女や奥さんを OSS の活動に連れてきたいかという問いに手を上げない日本勢に対して、「連れてくる人がいないのかな?」とひとこと…。
私の発表は、インプットメソッドを起動する openSUSE の 10年もののスクリプトをなんとかしないといけない…という話でした。この発表を聴きに、昔から openSUSE の多言語化をしてきた Swyear が来てくれました。プレゼンが終わった後に、台湾で使われているキーボードとインプットメソッドの話で議論したのですが、知らないことがたくさんでした…。
午後は面さんの AppArmor と Docker の話がありました。openSUSE.Asia Summit はテクニカルな内容が全体的に少なめで、レベルの設定が難しかったかもしれません。コンテナ毎に AppArmor のプロファイルを指定して、よりセキュアにコンテナを実行できるのは知らなかったので、勉強になりました。
ライトニングトークでは Hillwood が Wintricks で、簡単に Windows アプリケーションを Wine 上にインストールできることを披露し、Michal が openSUSE に対して、コミュニティメンバーができることを協調し、インドネシアチームがジョグジャカルタの紹介をして、2015年の openSUSE.Asia Summit は終わりました。
夜は日本のメンバーというか小江戸らぐのメンバーで士林夜市へ。様々な台湾名物を手ごろな値段で楽しめます。夜市のお店のおばちゃんに食べきれないような量の料理を勧められたりも…。
翌日以降
今年は観光の時間を確保しようと、Summit 翌日も台北に宿泊し、帰りの飛行機も16時台の便にしました。故宮博物院で念願の白菜(注: 翡翠で作られた)を見たり、小籠包を食べたり、違う夜市に行って愛玉子(ゼリーが入った飲み物)や紅豆湯圓(お汁粉)を食べたりしました。もちろん、ギネスに登録された世界最高速のエレベータで台北101の展望台にも行ってきました。
台湾は、今後何度行っても、まだまだ楽しめそうですし、台北の openSUSE コミュニティメンバーとイベントなんかもできそうです。
最後に、そして日本開催へ
少なくとも openSUSE のコミュニティでは、海外からの参加者を温かく迎えてくれますし、英語ができなくても、共通のコミュニティならではの話題で、なんとなくコミュニケーションが取れます。TSP で旅費の補助も出るので、ぜひ、海外イベントにも参加してみてはいかがでしょうか?
また、日本でも openSUSE.Asia Summit (と GNOME.Asia Summit)を2017年に開催するために、誘致委員会を年内に立ち上げる予定です。参加者を一緒にもてなしてくれるかたも募集しています。
By ftake @
2015-10-29 01:19
10月24日~25日に開催された、オープンソースカンファレンス 2015 Tokyo/Fall に参加しました。
会場はいつもの明星大学。今年は資格試験とも重ならず、天気も良かったため、多くの方にブースに立ち寄って頂きました。
セミナー資料
前編は YaST でファイルサーバーを構築する話、後編は AutoYaST で、openSUSE を自動インストールする話です。
後編: AutoYaST を使ってみた!
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By ftake @
2015-09-27 22:24
9月12日に openSUSE mini Summit 2015 を開催しました。
事前登録22人で、すぐに帰られた方を含めて20人が集まりました。
ありがとうございました。
今回はピクスタ株式会社の会議室をお借りしました。
渋谷駅前にあり、アクセスのよい会場でした。
受付に「ぎーこ」が登場
受付横に積まれた中サイズの Geeko のぬいぐるみ。参加者にプレゼントしました
オープニング: 「日本の openSUSE コミュニティのこれまでとこれから」
mini Summit 開催にあたり、私(ftake)が今までの活動を紹介しました。
openSUSE mini Summit は、今後の openSUSE.Asia Summit の日本での開催に繋がっています。
今年は12月5日、6日に台湾で開催されます。
https://events.opensuse.org/conference/summitasia15
インドネシアという強敵がいますが、来年以降の開催地として期待されています。
基調講演:「ディストロユーザ会と地域ユーザグループの素敵な関係」
発表者紹介: 第9回 日本 OSS 貢献者賞。2002年より、地域 Linux ユーザーグループ、小江戸らぐを主宰し、合計157回の活動報告会(オフ会)を毎月開催してきました。Slackware ベースの Linux ディストリビューションを地道に開発している一方で、どのようにして openSUSE ユーザになったかを紐解くところから語って頂きます。
Slackware から openSUSE に乗り換えたときの話と、地域 Linux ユーザーグループと、ディストリユーザー会が一緒に活動することのメリットについても語って頂きました。
openSUSE Leap 42.1 とは!?
11月4日リリース予定の 42.1 について話しました。32 bitは公式にはサポートされなくなりますが、サポートして欲しいという声や、Fedora のように、一部のパッケージを提供すればよいなどの意見が出ました。
openSUSEと日本語入力なお話
OSC 新潟のセミナーと同じように、会場にいる人に、どのインプットメソッドフレームワークやエンジンを使っているかを質問していました。
僻地で openSUSE を布教した結果(仮
Ubuntu のシェアが高いとある大学で、Windows ユーザーを対象に openSUSE を布教した結果、Ubuntu に次ぐ2位に押し上げたとのことです。
Autoyastを使ってみた
この日、唯一の YaST の話でした。意外と使ったことのある人がいない Autoyast です。
YaST の不可解な挙動や DHCPサーバーに悩まされつつも、一応インストールができたという報告でした。ribbon さんには、OSC 東京でも同じテーマで話して頂くことになっています。
今さら聞けない質問大会
質問を申込時に集め、当日に会場にいる人に答えてもらうコーナーです。次のような質問がありました。
- Systemd でデフォルトのランレベルを変える方法は?
- A: YaST で変える
- A: systemctl set-default を使う
- X が起動しないときのトラブルシューティング方法は?
- zypper / yum / dnf / apt, rpm / dpkg
- apt のことは Debian の人に聞いた方が良さそうですね
ライトニングトーク
持ち時間5分間のライトニングトークを行いました
- 「数学アプリケーションあれこれ」by Yokota Hiroshi
- 「ダイソーでWiMAX用パラボラアンテナ作ってみた」by 羽鳥 健太郎
- 「My first experiences with openSUSE」by Daniel Sangorrin
- 「メールが送れない… SORBSとの交渉顛末のその後」 by ribbon
クロージング
最後に、openSUSE グッズの争奪じゃんけん大会を行いました。中 Geeko のぬいぐるみは、数が十分にあったため、欲しい方にプレゼントできました。ということで、一番の目玉は、openSUSE Tシャツとなりました。
まずはぎーこの格好をした「はくり」さんと対決です。「じゃんけんぽん」
おめでとうございます。
ということで、初めての mini Summit はいかがでしたでしょうか?
来年も開催していきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
By ftake @
2015-08-09 15:40
8月7日から8日にかけて京都リサーチパークで開催されたオープンソースカンファレンスに出展しました。全体での来場者数は1日目は400名、750名とのことです。
セミナー
VPSもDesktopもYaSTを使ってLinuxをらくらく設定―ファイルサーバー構築・管理編
OSC のブースで YaST の説明をしていると、「これは便利そうですね」という声を頂くことが多いため、YaST を中心に解説するセミナーを行いました。聴講者は15名程でした。
スナップショットツール Snapper + Btrfs + Samba で、ファイルサーバーを構築するストーリーで YaST の使い方を紹介しました。一応補足しておきますが、Snapper や Btrfs 自体は Debian 8 や CentOS 7 でも使えます。
いつでもファイルを昔の状態に戻せる、Windows の「以前のバージョン」機能に対応したファイルサーバーを YaST でかんたんに構築する事例を紹介します。
YaST は世界的に使用されている Linux ディストリビューション openSUSE の設定ツールです。設定ファイルを vi で開いて編集しなくても、各種設定が行えます。OS のセットアップはさくっと終わらせて、他のことに時間を使いませんか?
現在開発中の LTS 版やローリングリリースの Tumbleweed など、openSUSE の最近の動向も紹介します。
トピック: Samba サーバー、ユーザーの管理、ネットワークの設定、ディスクの増設
セミナーの最後でじゃんけん大会を行い、Lサイズの openSUSE T シャツを1名の方にプレゼントしました。(Tシャツの写真は後半に)
YaST はディスプレイが繋がっていなくても(SSHでコマンドラインを使っている場合でも)Curses による TUI で、同じ画面構成で操作できることが伝わっていない感じがしますので、今後、もうちょっと工夫してアピールしていきたいなと思います。
ブース
今回はドイツのニュルンベルグから openSUSE グッズを送ってもらい、電球型ボールからコマンドのチートシートになっている小冊子、ステッカーを配布しました。いつものようにたくさんのちびギーコたちが配布していました。
また、日本openSUSEユーザ会の独自キャラクター「ぎーこ」の被り物を制作し、会場にいたスタッフや斜め向かいのおーぷんここんの島田さんが交代で着ていました。実は、衣装はワンピースを含む全身を用意してあり、今後 OSC 東京などで(涼しくなったら)披露する予定です。
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By kimitoboku @
2015-05-24 22:39
はじめましてkimitobokuです。
5月22,23日に開催されたオープンソースカンファレンス 2015 Nagoyaに出展しました。
今回は特大ぎーこも参加で大人気でした。
Open Build Serviceで楽してパッケージ作成というタイトルでのセミナーも行いました。
初めてのセミナーだったので緊張してましたが、聞きに来て頂いた人が少なかったのでまぁ気楽にやれて良かった感じなのですが、もうちょっと人が来て欲しいので来年リベンジします!
写真
会場入口で配っていたConoHa紙袋にぎーこさんが
大迫力な接客で人気の特大ぎーこさん
いつものちびぎーこ組体操
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By ftake @
2015-03-03 01:18
2/27, 28日に開催されたオープンソースカンファレンス 2015 Tokyo/Spring に出展しました。
セミナー: openSUSE (Linux) で創作活動!イラストから本格的な印刷物作成まで
冬コミの同人誌の流れで、Scribus と Krita についてのセミナーを行いました。
openSUSE などの Linux ベースの OS で利用可能なグラフィックスアプリケーションは充実してきており、ペンタブレットを接続してイラストを描いたり、そのイラストを使って本格的な冊子の作成を行うこともできるようになりました。
本セミナーでは、豊富なブラシが特徴的で、CMYK カラーも扱える高機能なペイントソフト Krita と、本格的な冊子の編集を行える Scribus の使い方をデモやコミックマーケットで頒布した openSUSE の同人誌の実例を交えながら紹介します。 また、11月にリリースされた openSUSE の最新版 13.2 と今後の動向についても 触れる予定です。
後半の Krita パート
10名くらいの方に参加して頂きました。
写真
悪天候が多い気がする OSC 東京ですが、今回は快晴で暖かく、恵まれていました。展示ブースではいつものようにぎーこがたくさんですが、なんとディスプレイとペンタブレットを持ち込み Krita のデモを行いました。高機能で自由なペイントソフトが openSUSE 上で使えることに驚いた人も何人かいて、興味を持って頂けたようです。
金曜日の懇親会は、いつものように学食で。懇親会 LT で openSUSE.Asia Summit と同人誌の紹介をしました。キムワイプはいつかのテロの残りでしょうか。
土曜日の懇親会は、京王で浜田山に移動して、おなじみのバックビートでした。改札機の写真は多摩動物公園のものですが、Debian が動いている EG-5000 だと思ったら、旧型 EG-2000 だった模様(OSは不明)。
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By ftake @
2014-11-18 22:13
10月17と18日に初のアジア地域でのopenSUSE Summit が北京航空航天大学で開催されました。
顔を合わせることが重要
openSUSEの開発は世界中からの多くの人が関わっているため、主なコミュニケーション手段は、メールやオンラインシステムを通して行われます。openSUSE.Asia Summit の重要な目的の1つは、普段オンラインでしか交流の無い人と実際に会うことです。実際に、会場入りすると、次々と挨拶が始まります。まずはopenSUSE.Asia Summitの準備を一緒にしてきた運営メンバー、そして日本語入力まわりを協力してパッケージングしているHillwood(中国人)と出会いました。
実際に会うことで初めて「どのような人か」分かることは多く、今後のオンラインコミュニケーションにも役立つのではないかと思います。 Asia Summitの発起人で、台湾のコミュニティメンバーのsakanaは「イベントの規模や、話す言葉は重要ではない。会う機会を作ることが重要」といっていました。実際に、今回もほとんどのセッションが中国語でした。
openSUSEの今後の方向性
基調講演では、openSUSE Board長のRichard BrownとSUSEのエンジニアリング副社長であるRalf FlaxaがともにopenSUSEとSLESの今後の役割についてふれました。13.2のリリースと同時に、ローリングリリースのTumbleweedがFactoryのスナップショットベースとなり、より最新のフルパッケージがディストリビューションとして提供されます。13.2に向けて整備してきた自動テストフレームワークopenQAがこれを可能にしました。
一方、エンタープライズ向けのSLESと、新しさを求めるopenSUSEの間にはギャップがあります。このギャップを埋めるアイデアとして、バージョン番号付きのopenSUSEのリリースサイクルを見直すこと、長期サポートをするEvergreenプロジェクトが紹介されました。
主な講演
Max Linは13.2以降のリリースの鍵となる、openQAとStagingプロジェクトの紹介を行いました(2セッション)。この2つの役割を簡単に説明すると、パッケージメンテナーによって更新されたパッケージは Factory に取り込む前に、まずはStagingプロジェクトに送られ、Staging プロジェクトのパッケージとFactoryの他のパッケージを合わせた状態でテストが行われます。このテストに使われるフレームワークがopenQAです。OSを仮想マシンで起動し、アプリケーションの起動・キーの入力などから構成されるテストケースを自動で実行します。openQAはGUIのテストにも対応しており、画面上に表示されている文字列が期待したものと同じかを判定することもできます。
その他には、Gary Linによるセキュアブートが有効な環境下でopenSUSEを動かす仕組みの解説もありました。現在のセキュアブートの環境では、Microsoftの鍵で署名されたブートローダーしか起動できませんが、署名されたプリローダーのShimを通してShimの鍵で署名されたGRUBを起動できます。また、マシン所有者のカスタムブートローダーやカーネルはmachine owner keyという鍵を用いて署名し、セキュアに起動できることが紹介されました。ブートローダーやカーネルの署名はOBSを通して簡単に行うこともできます。
台湾・日本・インド・北京のopenSUSEコミュニティの活動についての紹介も行いました。(日本は筆者が担当)インドコミュニティでは頻繁にパーティを開くようで、これがコミュニティを盛り上げる秘訣だと言っていたのが印象的でした。 私の発表スライド「A closer look at fonts and font rendering system on openSUSE」のスライドはこちらです。Notoフォントの話や、fontconfig、ヒンティングについて話しました:
ワークショップ
会場で実際に手を動かすワークショップもいくつか開催されました。OBSワークショップでは学生ボランティアのメンバーが初めてのパッケージングに挑戦していました。
昼食は吉野家! (#matsuyanow ならず)
北京の町中にはセブンイレブンを始めとする日本でお馴染みのお店がちょくちょく見られますが、吉野家もそのうちの1つです。Summitの昼食は2日とも吉野家でした。とても人気があるようで、お昼の大混雑の中、参加者全員でお店に押しかけました(残念ながら、OSC界隈で人気のある松屋は見当たりません)。お店の雰囲気は日本のハンバーガーチェーン店に似ています。牛丼・豚丼・鶏丼・きのこ丼と一緒にコーラを頼むのが定番だそうです。
ライトニングトーク
OSCでお馴染みの、最後のLT大会にしてみました。時間を拡大して当日申し込みを可能にしてみました。中でも面白かった発表は、Justin Wongによるgdanmakuの紹介です。gdanmakuはニコニコ動画のようなコメントを、スクリーン上に表示するアプリケーションで、LT会場からブラウザ経由でコメントを投稿していました。
その他、食べ物など
次回以降は?
2日間を通して、アニメが好きだとか、今度日本に行くけど、どこに行くべきか、次回は秋葉原で開催して欲しいといった話題が上がっていました。次回は台湾になりそうですが、より多くの人が日本から参加してもらえれば…と思います。(写真は主にボランティアのみなさん)