openSUSE ユーザ会のブースの作り方
この記事は オープンソースカンファレンス Advent Calendar と openSUSE Advent Calendar の 24日目です。
この記事を読んで下さっている方は、オープンソースカンファレンス(OSC)で日本 openSUSE ユーザ会のブースを見たことがあるでしょうか?あの緑色の生き物(カメレオン)のぬいぐるみが積み上げられたブースです。最近はおとなしめですが、何年か前はおーぷんここんの狐のぬいぐるみや、オアシス君が結集して賑やかでした。
今日はこの openSUSE ブースを運営するノウハウを共有したいと思います。
ブースは立体的に盛る
OSC では、スペースは基本的には机1個と決まっていますので、ぱっと見たときに寂しいなと感じないようにするには、縦方向を上手く使うのが大切です。
openSUSEブースは下はテーブルクロス、上はミニのぼりを配置しています。特大ギーコぬいぐるみの下に青色の道具箱が毎回置いてあるのも、立体的に見せるためです。展示物の輸送にコストをあまりかけられないため使っていませんが、後ろにバナースタンドを置くのも良いかと思います。
デモ用のPCの高さを上げてあるのもポイントです。机の上の直置きだと、立ったまま見る・操作するには低すぎてしまいます。そこで100円ショップのプラケース2台を足にして、画面とキーボードの高さを上げています。
チラシ
openSUSEユーザ会ブースでの主な配布物は、チラシとステッカーです。OSC 東京では機関誌(同人誌)の販売もしています。
この中でも重要なのがチラシです。チラシは A4 カラー両面を2つ折にしたものです。受け取った後の仕舞いやすさ、印刷コスト(200枚で2000円以下、またはカラーレーザープリンタで印刷可能)、見た目のバランスを考えてこの形になりました。
チラシの内容(2, 3 ページ)は openSUSE のリリース情報や、セミナーの内容に合わせた技術的なことを入れるようにしています。内容は少なくとも年2回のOSC東京ごとに更新しており、毎回来ている方にも受け取ってもらえるようにしています。4 ページ目は openSUSE を知らない人向けの情報をまとめており、およその内容は10年ほど変わっていません。
声かけ
openSUSEブースでは、ここは一体何?という感じで近づいて下さった方に、まずはチラシを渡しつつ声かけをするようにしています。毎回 openSUSE をご存じですか?と最初は質問をするのですが、最近の OSC 東京では知らないという回答はかなり少なくなってきました。
ブースでの話が盛り上がることもよくあり。ブースでの一人あたりの平均滞在時間は長い方なのではないかと思います。ぜひ、お気軽にお立ち寄り下さい。
セミナー
ブースではありませんが、少しだけ。openSUSE のセミナーは、openSUSE の紹介(10分)+ アプリケーションなど、直接関係ない話と言う構成が多くなっています。と言いますのも、openSUSE のようなマイナーディストリビューション特化の話だと、ほとんど人が集まらないからです。そのため、アプリケーションよりのネタで人を集めつつ、プログラムのリンクをクリックしてもらえそうなキャッチーなタイトルになるように工夫しています。
例えば次のようなものがありました。
- Ruby でできていると言っても過言ではない Linux ディストリビューション — openSUSE
- トランザクショナルアップデート ― Btrfs を活用したパッケージ更新方法 / OpenStack アップストリーム開発者が語る、オープンソース開発の裏話
- openSUSEで作る仮想化環境 ― KVM, Xen, Docker, etc. 仮想化技術の選択のポイント
- Portus でプライベート Docker レジストリを作ってみよう
- Solrで日本語全文検索システムの構築と応用~ドキュメント検索からオンラインショッピングサイトへの応用まで~
- 今さら聞けない — Linux コマンドラインツールテクニック その1
今後、出展・発表をしてみたい方へ
OSC は新規出展の見た目上のしにくさが1つの大きな課題となっていると思います。しかしながら、実際にはそこまで大変ではありません。
1つの大きな難しさはコミュニティを立ち上げないといけないように見えることです。コミュニティを立ち上げるには、その OSS の誰かに許可を求めないといけないのではないか、複数人集めないといけないのではないのか、そもそもコミュニティを立ち上げられるほど、使って・貢献して・… ・いないなど、できない理由がいくらでも思いついてしまいます。
実際のところ、コミュニティ名義で出展する必要はなく、個人としてブースを出す、出展することも可能です。申し込み書がコミュニティとしての出展を前提とした内容になってしまっており、ここも抵抗感があると思いますが大丈夫です。
また、東海道らぐのようなごちゃまぜコミュニティに参加して、まずは東海道らぐの枠でライトニングトークをしてみるというのも良いのではないかと思います。
私個人としては、まだコミュニティ化されていない、時によってはマイナーな OSS のユーザーや開発者がOSCで発表して、そこから人が集まるようになったり、流行の OSS を使って○○してみたのような、経験を語るような発表がもっとあると、今後も OSC が盛り上がり続けることができるのではないかと考えています。
おわりに
なかなか書く機会のなかった openSUSE ユーザ会の出展ノウハウを書いてみました。OSC の特徴のコミュニティブースがよくなることが、来場者数が減少気味な OSC の盛り上げにつながるのではないかと期待しています。
明日は Advent Calendar 最終日です。オープンソースカンファレンスは久保田さんによる来年の OSC の計画の話です。openSUSE は明日も私で、昨日の定例での1年のふり返りと来年に向けてを書きます。