openSUSE.Asia Summit 2018 に行ってきました by hashimoto syuta
2018年8月11日(土)・12日(日)に、台湾の国立台湾科技大学で開催された openSUSE.Asia Summit 2018 に参加してきましたので、レポートしたいと思います。
COSCUP、GNOME.Asiaとの共催
去年の日本開催が11月で、今年は1年経たないうちの開催スケジュールとなりました。これは、台湾チームの、COSCUP、GNOME.Asiaとの共催がしたい!との強い要望が実現した結果です。
COSCUPは台湾最大のカンファレンスで、GNOME.AsiaはGNOMEのアジア地域のカンファレンスですね。例年多くの参加者がいて、今年もすごい賑わいでした。(千人規模?なイメージでした。)
スケジュール
8月10日(金)が、コミュニティ・デイ として台湾のSUSEでboardを交えてopenSUSEに付いて話し合う日でした。私はコミケでgeeko magazineを頒布するタスクがあったため、この日の参加は失礼させて頂いて、夜の便で台湾へ向かおうとしたのですが・・・そのお話はまた後ほど書かせて頂きます。
11日(土)、12日(日)はCOSCOP、GNOME.Asiaとスケジュールを共にし、会場でのカンファレンスとなります。
13日(月)はエクスカーションで、台湾の国立故宮博物院、台北101をまわるバスツアーでした。
いきなりトラブル
私は10日(金)の夜のLCCで台北に向かう予定だったのですが、なんと、運用上の理由での遅延により、その日の出発が不可能に。一時は今年のカンファレンス参加を諦めたのですが、24時間後に代替便が出る事が判明。その夜は一緒の便を予約していたLibreOfficeの小笠原さんの所にお邪魔させて頂き、一日遅れでの出発となりました。
今回、TSPを申請させて頂いたのですが、記述にも「極力安い飛行機や宿を探してね」とあるものの、LCCの成田発最終便はリスクが高く、そもそものカンファレンス参加が危ぶまれる事を考えると、もうちょっとリスクの低いルートを選んだ方が良かったかな、という結果でした。
なお、今日は付けないけど、明日チェックインするからね、と、ホテルに問い合わせから連絡したものの、上手く伝わっておらず、到着後はカンファレンス開始まで夜の街を彷徨う事に・・・
カンファレンス
なんとか到着し、12日のセッションに参加させて頂きました。
Using latest LibreOffice on openSUSE Leap 15
小笠原さんによる、AppImageやsnapを使った、LibreOfficeのバージョンを恣意的に指定しての稼働方法の講演でした。利用、使用(ユース)だけでなく、デバッグ、検証、といった目的の使い方に付いて具体案が提案されていて、「アプリの使用はインストールの壁があるのももう昔の話なんだな」と感じました。
We are openSUSE.Asia Summit
中国から来た、global committeeの一人でもあるsunnyの講演です。openSUSE.Asia Summitの辿った道やロゴなどの作成したものの紹介などをしてくれました。後半は、各国のコミュニティのリーダーに、モチベーションに付いてなどをインタビューしていました。最初はインタビュームービーの上映だったのですが、その後、実際にその場にいるリーダー達に直接マイクで喋ってもらう事に。
DRBD – block device replication solution for HA cluster mainly
不肖、私も発表させて頂きました。去年のopenSUSE.Asia Summitのスポンサーを務めていただいた、故久保氏へ感謝の意を表し、DRBDによるハイ・アベイラビリティの構築に付いて入門レベルですが概要を講演しました。
最後に、any question?と尋ねた所、特に反応も無かった為、上手く伝わらなかったと思われるのが悔しいです・・・英語によるプレゼン力の向上は課題となりました。また、このレベルのカンファレンスでしたら、もうちょっと深いレベル(例えばOpenSDSの具体例)で講演しても良かったかもしれません。
こちらが使用したスライドです。
Maintaining the Good Spirit
インドネシアのコミュニティのリーダー、Edwinによる、コミュニティ運営の秘訣に付いての講演でした。
コミュニティに限らず、人が集まる所には良いも悪いも何かしら起こるもの、という事でしょうか。ルールはあるべき、完全にオープンにする必要は無い、といった主張を掲げたEdwinに、何人か質疑を投げかけていて、対話を重ねていました。
端から見てるから余計なのでしょうが、インドネシアチームは良いコミュニティを築けているように見えるんですよね。人も多いですし。ただ、その裏では、やはり只ならぬ努力があるという事なのでしょうか。
ブース
大村さんの提案で、[Japanese FLOSS community] と題して、日本のコミュニティに付いて紹介するブースも設置させて頂きました。
geeko magazineや小江戸LUG作成のlinuxUSER、また、様々なステッカーも、かなり皆さんの興味を引いていました。何人か日本文化に興味がある人もいらっしゃって、コミケの話題などで盛り上がったりもしました。(日本語を話せないまでも、読める方は結構いらっしゃった感じでした。)
尚、大村さんは現地語で参加者に色々と説明されてました。とても真似出来ないです・・・
他のブースも盛況で、一回に設置されていた企業ブースも人が多くてゆっくり見られないぐらいでした。
ローカルチームのsakanaとALが、openSUSE beerを取っておいてくれました。ありがとう!
最後に
一日遅れでの参加とは言え、ここに書ききれない程の、沢山の経験をさせて頂きました。新しく知り合えた、韓国からいらっしゃっていたソンデヒョン氏、インドネシアのHaris氏、ローカルチームのDaniel Lin氏、その他多くの方と仲良くして頂き、各国の状況に付いて少なからず見識を増やす事が出来ました。
各参加者との会話は、視点が違うというか、とても参考になる意見ばかりでした(ライフサイクルに対するコミュニティ活動の位置づけの話など)。DRBDの技術的な話も出来て、非常に有意義な時間となりました。openSUSEにはTSPという制度もあるので、興味を持たれた方は是非来年のopenSUSE.Asia Summitに参加されては如何でしょうか。