openSUSE Advent Calender の 16日目です。今日は小ネタです。

スマートフォンを通してインターネットに接続するテザリングをするとき、一般的には Wi-Fi を使ってスマートフォンと PC を接続することが多いのではないかと思います。

実はUSBケーブルで接続してテザリングをすることもできます。充電・電源供給しながら使用することができるので、長時間使うときには便利です。

Android のスマートフォンであれば、どの機種でも簡単にできます。USB ケーブルで接続し、スマートフォン側のネットワークの設定で USB テザリングを有効にすれば、特にパッケージ等のインストールをすることなくつながります。

Network Manager では、1番目に Type-C で接続した有線LANアダプタがあるため、スマートフォンは「Wired connection 2」として設定されました。

openSUSE Advent Calendar 9日目です。

M5Stack は 5.5 cm 角のディスプレイとバッテリー付きのマイコンです。SoC は ESP32 で、Wi-Fi も使えます。近々 Arduino のハンズオンを行う予定で、M5Stack を Arduino 互換ボードとして開発する環境を openSUSE 上に整えてみました。

ハードウェアのセットアップは簡単で、openSUSE が動く PC に接続するだけで cp210x として認識されます。ただし、少し前の brltty にバグがあり、アップデートが適用されていないと、M5STACK が点字ディスプレイとして持って行かれてしまいますのでご注意下さい。

Arduino の開発環境である Arduino IDE は以下のサイトからダウンロードして、適当なディレクトリに展開します(/opt/arduino など)。Flatpak でインストールしたいところですが、ESP32 のコンパイラが Python を必要とするため、Python を同梱していない Flatpak 版は使用できません。
https://www.arduino.cc/en/Main/Software

インストールした Arduino IDE を起動して、ESP32用のツールをダウンロードします。「環境設定」を開いて「追加のボードマネージャのURL」に次のURLを設定します:
https://raw.githubusercontent.com/espressif/arduino-esp32/gh-pages/package_esp32_index.json

「ツール」から「ボードマネージャ」を起動し、ESP32 の開発環境をインストールします。

ボードマネージャを使用しない方法は以下を参照:
https://github.com/espressif/arduino-esp32/blob/master/docs/arduino-ide/boards_manager.md

1つだけインストールしなければならないのが python2-pyserial です。ビルド時に ESP32 のビルドツールが使用します。zypper か YaST からインストールして下さい。

あとは、「ツール」 > 「シリアルポート」を /dev/ttyUSB0 (dmesg に出てきたデバイス名)に設定したら準備完了です。

Arduino IDE は Java アプリで、デフォルトの設定ではフォントがきれいでないのが残念。この設定変更はまたの機会に。

Geeko Magazine Special Edition 2019 冬

By ftake @ 2019-12-05 00:29

openSUSE Advent Calendar 4日目です。

2019年12月31日(火)東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケットC97でGeeko Magazine Special Edition 2019 冬を発行します。スペースは南ラ-02aです。

今回の内容は次のようになっています:

  • Linux から Azure Files を使う
  • システム構成管理ツール Uyuni を触ってみた
  • 自動テストツール openQA を使って Live Image をテストする
  • ~ゼロからスタート~30分で作る仮想マシンコンテナホスト
  • openSUSE のデフォルト NTP サーバ設定は使えるのか?pool.ntp.org で提供する NTP サーバを調べてみた
  • 我が輩はギーコである ~続・ちゃんおぷ学園の一日~

当日は2019夏号も若干数持ち込み予定です。コミケ以降も2月のOSC東京や openSUSE 新年会(京都・東京)などでも頒布予定です。

きれいに印刷できるかちょっと心配な表紙

OSC 2019 Tokyo/Fall に参加しました

By ftake @ 2019-12-04 00:42

openSUSE Advent Calendar 3日目です。

11月23日、24日に東京都日野市の明星大学で開催されたオープンソースカンファレンス2019 Tokyo/Fall に日本 openSUSE ユーザ会として参加しました。

今回は久しぶりに超特大カメレオンぬいぐるみが登場!宅急便で送ることのできるぎりぎりのサイズの箱に詰められてやってきました。

ブースでは フリーチラシ版の Geeko Magazine を配布しました。

セミナーは川上さんによる「最近よく聞く!? ― eBPF (extended Berkeley Packet Filter) を用いた PostgreSQL の性能測定」で、Asia Summit の内容を日本語で話してもらいました。難しい内容でしたが、そこそこの人数が集まったので良かったです。

次回は2月21日(金)、22日(土)で、会場は9年ぶりに23区内に戻り駒澤大学です。

10月5日から6日にかけて、インドネシアのバリ島にある Udayana 大学で開催された openSUSE.Asia Summit 2019 に参加してきました。2014年に始まった Asia Summit はもう6回目で、インドネシアでの開催は2016年のジョグジャカルタに続き2回目です。

今年は地元のインドネシアを中心に約350名が集まり盛大に開催されました。アジア(台湾6人、日本5人、他)はもちろん、今年はヨーロッパ圏からも参加者が集まりました。

バリ島へは成田から1日1便だけの直行便で行きました。4日の夕方に到着して、Udayana 大学のボランティアの学生さんにホテルまで連れて行ってもらいました。

0日目(Community meeting)

中国の重慶から来ている Hillwood に誘われ、GWK カルチャラルパークへ。ホテルからちょっとした散歩かと思えば、けっこうな山道で炎天下の中1時間ほど歩きました。空港からも見える巨大像があります。歴史のあるところなのかと思いきや、この像は最近完成した新しいものだそうです。

午後は空港近くのコワーキングスペースに移動し、主要なメンバーが集まる Community meeting が行われました。新しい openSUSE Board Chair の Gerald とも(全員)初めての顔合わせでした。会議はおもにドキュメンテーションの話で盛り上がり、マニュアルや動画の活用について意見が飛び交いました。

この日のメイントピックの1つは来年のAsia Summitについてだったのですが、肝心の提案者であるインドの Shobha が来られず、消化不良感のまま終了しました。

Community meeting の会場からバスに乗り込み、一路 Welcome party の会場である Jimbaran ビーチのレストランへ。ここで台湾や2016年の開催で出会い、2017年に日本に来てくれたメンバーと次々合流しました。シーフードを食べつつ、楽しい時間を過ごしました。

1日目

ホテルから大学までは 1.5 km ほど離れており、大学は山の上にあります。普通はタクシーを使うところ、日本チームは徒歩を選択。20分ほど歩きました。タクシーを使ったときもありましたが、基本的には徒歩でした。この記事の頭にある写真がエントランスの様子です。

いよいよ開会。私は 2016年のAsia Summitを経験しているので、あまり驚かないのですが、国会斉唱、ダンスで始まります。

大学からの挨拶では、今ではあらゆるところで Linux が使われているので、今回の Asia Summit を通して、学生にはより Linux に慣れ親しんで欲しいとメッセージがありました。30人弱の学生ボランティアが集まっており、openSUSE や Linux をまずは使ってもらって、2016年のときのように来年の Asia Summit にも来てもらえるようになれば良いなと思います。

講演は openSUSE Board の Axel, Gerald, Simon の3人からの基調講演でスタート。Axel は openSUSE プロジェクトに関わる数字を紹介し、30万ユーザーが毎月ダウンロードしていること、未だに 13.2 や 1回だけであるが 10.1 のダウンロードがあること、opensuse-de の購読者が 600 人に対して、opensuse-ja は 389 人であること、486人の openSUSE Member がいることなどが取り上げられました。

Gerald からはコミュニケーションの話で、インドネシア語の Selamat Pagi!(おはようございます)は、口角が上がって、みんな笑顔になるねという話がありました。発表の中で SUSE の CEO Melissa からのビデオメッセージがあり、openSUSE は引き続き重要なプロジェクトであること、その後に Gerald からも、SUSE と共有しているインフラなどの諸課題について解決していくと話がありました。

Simon からは、今後の法的な組織体制の話で、openSUSE の特に財政面で支える財団の設立などについて説明がありました。現在はプロジェクトの名前を変えるかどうかの投票が行われています。

最初のセッションは「Using Portainer (Docker Container Management) at openSUSE Leap 15.1」を聴きに行きました。Portainer はコンテナをデプロイ、管理するためのウェブアプリケーションで、テンプレートからのアプリケーションのインストールやネットワーク、ボリュームの管理までできてしまいます。単純に動かすだけであれば、インストールもとても簡単で、Docker が動いているローカルマシンでは、とりあえず動かしておいても良いかもしれません。

お昼ご飯はお弁当。写真には写っていませんが、お弁当には果物が付きもので、ジョグジャカルタはバナナでしたが、バリ島ではみかんのようです。

午後は「We are openSUSE Asia Community」という、Sunny 提案のワークショップ枠の講演へ。中身はみんなで分担しており、openSUSE.Asia のホスト募集、日本のコミュニティの紹介、グローバルコミュニティへの参加方法について20分ほど話しました。

写真はKukuhによるインドネシアコミュニティの紹介で、企業訪問もしているのだとか。遅れていた Shobha もここで合流し、無事インドコミュニティの話を聞くことができました。この1年の間に openSUSE のインストールイベントや、定期的なミートアップを始め、熱心な学生もいるそうです。

裏番組だった hatochan の発表を見に行くと、発表の最後でのお土産タイムで前回同様盛り上がっていました。

1日目の夜は発表者、ボランティアを交えてのパーティ。日本人チームはここでも徒歩を選択。野生の鶏(放し飼い?)を見つけたりしながら会場へ。交通量が比較的多く、空気が良くないのであまり歩きすぎないことをオススメします。

パーティはご飯をそれぞれ取って、あとは適当にテーブルで話すスタイルでした。私はインドネシアからの発表者が集まるテーブルへ。2017年に発表者として日本に来てくた Moko と Alin 夫婦が今年生まれた子供を連れで参加していたりすごい。

日本政府のインダストリー4.0の政策について聞かれて(具体的に何もできていない話が多くて)回答に困ったので、hatochan を呼んで来たときの図。

1日目の録画とハイライトはこちらにあります:

2日目

今回のロゴコンテストの優勝者への記念品の贈呈に続いて、これまでの openSUSE.Asia Summit の記録が集められたアルバムが Sakana から Kukuh へ。そろそろページが足りなくなりそうな予感です。

この後、Simon と GNOME の Neil からそれぞれキーノート。OSS の活動するときに、人にはキャパシティがあるんだから、燃え尽きるなよという話や、Jim Zemlin が2017年は Linux デスクトップの年だという発表をしたときに Mac を使っていたと言うような話がありました。(レポートが長くなってきて、だんだん適当になってきました)

2日目の最初に私の発表。内容は openSUSE Conference と同じで Geeko Magazine についてでした。Douglas からは LibreOffice からコピペじゃなくて、インポートしないの?と聞かれましたが、LibreOffice から良い感じにスタ イルを Scribus 上のものとマッピングしてくれないと意味が無かったりで使っていないです。Sunny からはどのくらいの期間でどのくらいの量を売り切るのかという質問で、1年以内に150部配りきっています。

前から気になっていた Cedric による Uyuni の話へ。Uyuni の使い方の話をすっ飛ばして開発の話でした。Uyuni は SUSE Manager の upstream という位置づけで(SUSE Manager は space walk の fork だった)、OS をインストールしたり、構成管理をするためのウェブアプリケーションです。

Uyuni のフロントエンド部分は Spring + JSP の Java ウェブアプリケーションで、裏側では Salt Stack など色々なものが動いているようです。Maven ではなく OBS から依存するライブラリを取ってくる仕組みを使っているなど、開発するときにはいろいろとはまりどころがありそうです。

井川さんの「How to Participate Open Source development」。

井川さんと同じ時間帯にやっていた Ish の MicroOS ワークショップが気になり15分だけ様子を見に行きました。cgroup の説明から podman コマンドの使い方など、裏側の話もちょいちょい入っており、日本で1回、このハンズオンをやってみても良いかもしれませんね。

いよいよ2日間の Asia Summit もクロージングへ。イベントのラストはライトニングトーク大会です。といっても、Sunny がもっと英語で話そう、今から前に出てきて1分間話せたら、お土産をあげようと言った発表!?をやったりと、自由な感じでした。

ドラがとてもでかい!本来であれば、大学のフォーマルなイベントで使用するためのものだそうです。

インドの Shobha による来年の Asia Summit を Delhi の Faridabad で開催する提案。昨年に引き続き2回目の提案で、課題だった今年はローカルの体制もだいぶ強化されました。

3日目

楽しい楽しい Ubud と Uluwatu への 1 day ツアーのはずが、お腹を壊してホテルに1日籠もっていました。なのでレポートはありません…。食べ物に気をつけるのはもちろんですが、疲れて抵抗力が落ちるのも危険です。

4日目

午後には体調がだいぶ良くなったので、昼過ぎから車をチャーターして、1日遅れで Ubud へ連れて行ってもらいました。帰りの便は翌日の0:45だったので、荷物を載せて行き、空港で降ろしてもらいました。

おわりに

openSUSE.Asia Summit は発表を聞くだけのイベントではなく、openSUSE コミュニティメンバーが集まり、face to face でコミュニケーションを取るためのイベントです。きちんと発表プロポーザルをかければ(コツがあります)、発表のハードルもそれほど高くありません。旅費についても openSUSE Travel Support Program により、最大 80% 補助が出るため、時間だけ確保できれば心配はありません。ぜひ、来年は参加してみて下さい。

Geeko Magazine 2019 夏

By ftake @ 2019-07-30 23:56

この夏もGeeko Magazine を発行します。2014年冬から始まった Geeko Magazine Special Edition はついに10巻目となりました。

最初の頒布は8月12日(月)コミックマーケットC96 南 ラ-03a です。今回から入場時にカタログに付属のリストバンドが必要になりますのでご注意下さい。コミケの後は技術書典や OSC 東京で頒布予定です。

今回の内容はこんな感じです。ちょっと難しめかもしれません。

  • openSUSE Leap 15.1 リリース!
  • 仮想マシンは遅いのか?仮想マシンと物理マシンのディスク I/O 速度比較
  • Docker Compose とは何が違う?Rails アプリを Kubernetes にデプロイしてみた
  • Docker・Kubernetes の永続化ボリューム攻略
  • eBPF を用いた PostgreSQL のクエリショル時間の計測
  • 鏡の向こう第5話: 放課後
    openSUSE Leap + CUDA で TensorFlow を動かすよ~!

それでは、日本 openSUSE ユーザ会のスペースでお待ちしております。

openSUSE mini Summit 2019 を開催

By ftake @ 2019-07-29 00:36

年に1回の openSUSE ユーザーが集まるイベント、 openSUSE mini Summit を 7月20日に開催しました。近年は Open Source Summit Japan の翌日に開催しています。今回の参加者は26名でした。

今回の会場はサイバートラスト株式会社の会議室を使わせて頂きました。ありがとうございました。

受付は特大ギーコとTuxが並びました。

オープニング

オープニングでは、昨年の mini Summit から今日までの活動を振り返りました。参加した OSC などのイベントと開催したイベントは17回ありました。また昨年末には Advent Calendar に参加し、7人で25日分のブログ投稿を行って完走することができました。

次にアイスブレイクで、参加者全員に自己紹介をしてもらいました。 1人持ち時間30秒で 、読んで欲しいお名前と、興味のあること、お仕事、関係するコミュニティなどを話してもらいました。

アイスブレイクの様子

openSUSE Leap 15.1 リリース!

発表者: ftake

15.1 のカーネル、Snapper の容量表示、YaST の改良点を中心に説明しました。会場には Debian や Ubuntu のコミュニティからも参加者がいたため、SLE とパッケージはバイナリレベルで同一なのか?といった質問が出ました。(ソースレベルで同一で、バイナリは異なる)

openSUSE Conference 参加報告

発表者: ftake, hashimotosyuta, masayukig

openSUSE Conference の参加者が前に出て、写真を見ながら当日の様子を紹介しました。ソーセージとビールの写真が多めだったかもしれません。

openSUSE with OpenSDS

発表者: hashimotosyuta

様々なストレージエンジンをコントロールして、ストレージを作成できる OpenSDS を openSUSE で使う話です。残念ながら今のところ openSUSE 向けのパッケージは用意されていないようです。

Kubernetes the hard way on openSUSE OpenStack cloud

発表者: masayukig

GCP に手作業で Kubernetes をインストールする Kubernetes the hard way の紹介、新しいお家 Open Stack クラスタの紹介と、この Open Stack 上に Kubernetes クラスタを構築する話でした。
資料: https://github.com/masayukig/k8s-the-hard-way

openQAを使ってテストケースを作成してみる

発表者: nagayasu

openQA は openSUSE の自動テストで使用されている GUI テストツールです。openQA をローカル PC にインストールし、Live 起動のディストリビューションのテストのデモが行われました。

openQA について

ショートトーク

emaxer さんと鹿さんによる飛び入り発表。XDP のパケット処理の話は OSC 京都で聞けます。

XDPによる高速パケット処理のショートトーク

じゃんけん大会・クロージング

中サイズのカメレオンのぬいぐるみや、Tシャツなどがもらえるじゃんけん大会を行いました。プレゼントの数は十分にあったため、みなさん何かしら持って帰れたのではないかと思います。

じゃんけん大会
集合写真

リリースパーティ

すぐ隣のラウンジに移動し、少し遅めの Leap 15.1 のリリースパーティを開催しました。スパークリングワインで乾杯!

今回は初めての方も多くいました、じっくり交流して頂けたのではないかと思います。